メタナイトさんの言った通り、私が目覚めてから一週間も経った頃には石造りの冷たい部屋ではなくフローリングの綺麗な部屋へと移っていた。
窓が無いから外は見えないけど、肌寒さを感じることなどは無くなった。
ベッドも綺麗。
本当に前の部屋は応急処置的な場所だったんだろうなと思う。
本まで持ってきてもらえたから、時間を潰すのが大分楽になった。
そうして本を読んでいたら、ノックの音が聞こえた。
ノックが聞こえても、外からの声を聞いてからしか返答しないようにするというルールが作られている。
ワドルディの時はちょっと隠れた場所にある呼び鈴を鳴らすという事になっている。
「ユメさん」
「お食事をお持ちしました」
「空いてますよ」
ソードさんとブレイドさんだ。
メタナイトさんの部下であるということで、メタナイトさん自身が来られない時は定期的に様子を見に来てくれる。
今では結構仲良くなったと思う。
まぁあっちは監視も兼ねてるんだろうけど。
「鍵を開けっ放しにするのはお控えください」
「少々無用心ですよ」
「すみません、ついさっきワドルディが掃除に来てくれて……そのあと閉めてなかったんです」
「閉めるようにしてください。
あと、昼食です」
「ありがとうございます、ブレイドさん。以後気をつけます」
わぁ、今日も美味しそう。
いつも届けられる食事は栄養バランスの整った見た目のいいものばかり。
和風だったり洋風だったり様々だが、故郷に似た、あるいは同じ味である事が殆どなので食べるのに苦労する事は少なかった。
「そういえばお二人はもう済まされたのですか?」
「我々はもう食べてきました」
「お気になさらず」
「そうですか」
鎧を全身に纏う二人はどう食べるのだろうと考えたりしながら(といっても、普通に外して食べるよね)、ペースよく食べ進めた。
なんかすごく見られてて少し居心地悪いけど。
「ごちそうさまでした」
今日も美味しかったです。
「いつもありがとうございます」
「いえ。体調に異状も無いようで」
「何よりです」
「ここの食事は栄養がいいので、すこぶる良好ですよ」
「何か異常がありましたらお伝えください。
では我らはこれで」
「ありがとうございました」
パタン、と扉が閉められる。
今度は忘れずに鍵をかけた。
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