「おいリヴァイ!!ハンジ見なかったか!?」
そう叫びながら食堂に駆け込んできたエレン。
…何があった。
朝食の用意をしていた俺らの心情が一致する。
どう見ても普段のお前じゃない。
「エレン、どうしたの…?」
食堂に居合わせた班員も驚いてエレンを凝視している。
「ま、待ってください!」
「レイさん!?」
俺らが混乱気味になっていると、レイまで駆け込んできた。
こいつも普段と様子が違う。
何故敬語なんだ。
しかも無表情じゃない。
「リヴァイ、いいから早く言え。ハンジはどこだ」
「おいエレン!!どうしたんだ!!」
俺の方へ歩み寄ってハンジの居場所を聞こうとするエレンの肩をグンタが掴んだ。
ビタっと動きを止めたエレンが非常に疲れた様子で、口を開いた。
「…すまん。
とりあえず、入れ替わったんだ」
「…は?」
「そうなんです…。で、俺がエレンです」
「んで、こっちが俺だ」
「は…!?」
レイがエレンで、エレンがレイ?
入れ替わり、ということか?
「…レイ分隊長、ですか?」
「そうだ」
「し、失礼しました…!!」
「いや、ちゃんと話さなかった俺も悪い。
気にするな」
エレン…じゃない、レイの肩を掴んだままだったグンタが謝罪する。
受け答えも、普段のあいつそのもので。
…なんつーか、違和感がスゲェな。
「で、ハンジはどこだ」
「何故ハンジなんだ」
こういうことをやるのはあいつしかないだろう、と、疲れきったような声音で言うレイ。
外見がエレンなのだから、やはり違和感が…。
それを感じているのはエルドやオルオも皆同じで。
とりあえず、レイの言う通り、こういうことをしでかすのはハンジくらいしか思いつかない。
「…業務は普段通りやれるな」
「ああ。…後でハンジ叩きのめす」
「レイさん…!!冗談に聞こえないですよそれ!」
「いや、冗談じゃない。殺す気でボコってくる。つーか、こないだもエレンがガキになったばかりじゃねぇか。
もう許せん」
「レイさん落ち着いてくださいい!!」
…今日は凄く表情が変わるな、レイ、………じゃないんだ。
エレンだった。
…まさか、俺まで混乱してるのか…!?
「…もういい。エレンは掃除。
レイはいつもどおりだ」
「どっちのエレンだよ」
「中身がエレンの方が掃除だ」
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