食堂の一角
昼休みも終わりに近く、いつもなら人もまばらになる時間なのだが、何故か盛り上がっていた
兵士が机を囲むように群がっている
中央では腕相撲が執り行われていた

「すげぇなライナー、流石だ!!」

「へへっどんなもんよ」

先輩兵士ともやっては倒していくライナー
彼の筋肉量は凄い
腕力も凄まじい物を持っている

盛り上がるそこに、予期せぬ訪問者が来た

「なにしてるんだ?」

「っレイ分隊長!」

「あぁ、いい
まだ休憩なんだ
……こんな人数が集まって、何をしてるのかと思ってな」


敬礼をやめた兵士をぐるりと見渡すレイ
今考えれば、新兵からベテラン兵士までが集まっている此処は傍からみると異様な空間に見えたのだろう

「う、腕相撲をやっていまして」

「……あぁ、腕相撲か」

テーブル近くのライナーを見据え、納得したような表情を浮かべるレイ
そのまま立ち去るかと思われたがその次にこんな事を言うなど誰も予想していなかった

「俺も混ぜろ」






レイとライナーが対峙して座る
外見的にはライナーの方が力が強そうに見えるが、レイも分隊長だ
もしかしたら、秘策でもあるのかもしれない

「で、では、始め!」

アルミンの声より少し遅れ…というか、ほとんど同時に、ドンッと音が鳴った
ライナーの手の甲が机についている

「……………」

「流石だな、なかなか力がある」

「………え、っと、ありがとうございます……」

勝ったのは貴方ですけど、と兵士達の心情が一致した
何が起きたのか分からなかった
兵士たちが顔を見合わせる中、リヴァイが現れた

「何してんだ」

「腕相撲
リヴァイもやってみろよ、いい勝負になる」

「断る
てめぇ……遊んでる時間は無いだろ」

「すぐ戻る」

レイが立ち上がり、食堂から出て行く
残ったリヴァイが、息をついた

「レイは一瞬に爆発的な力を出せる
が、持久出来ないからそれさえ耐え切れれば勝機は見えるぞ」

「そうなんですか……
兵長はレイ分隊長と腕相撲やったことあるんですか?」

「まぁな
勝率は……6割ぐれぇか
負ける時は瞬殺だ」

ざわり、とざわめきが走る
人類最強の兵長でも6割でしか勝てないのなら、自分らにはもっと無理な話だ
というかリヴァイ兵長はどれほど強いんだろうか

「………お前ら、持ち場に戻れ
休憩は終わりだ」

「はいっ!」







[*prev] [next#]

1/1





戻る
×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -