清々しい朝。
小鳥のさえずり。
あぁ、なんて気分がいいのだろう。
「なので行ってきます」
「意味がわかんねェよ」
あらあら、こんな所にマイハートを理解してくれない人がいるわー。
「ローさん〜、そこは察してくださいよー」
「察せるか。いきなり“今から海に飛び込んできます”発言する奴を理解できるわけねェだろ」
「えぇ〜!」
私の声にローさんはため息をついた。
――なぜ?
「はぁ……こっちこい」
手招きをされ近づく私。
するとローさんは私を体に閉じ込め、ぎゅっと抱きしめられる。
「俺はお前が海に飛び込むのを見るより、お前の寝顔を見るほうがいい」
「ローさん……」
心の中がじんとなった。
とりあえず、海に飛び込むことはやめよう。
prev next[ back ] bkm