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ひな祭り


ひな祭り、それは女の子がお嫁に行けるようにと願われる縁起行事である。



「それでお前は一生嫁に行けないと」

「行けますー!ただ出すのが面倒臭かっただけだから!」

「確かにそうだが嫁に行けなくなるぞ?」

「べ、別にいいもん」

「さっきの威勢はどうした?」



ニヤニヤと笑うローに私はくっと悔しさに拳を握る。


ひな祭りにお姫様とか用意したかったけど時間がなかった。


それを男であるローに言われるなどどう聞いてもおかしい。



「へェ?独身を貫くのか」

「う、うん……」



固定の言葉に私は渋る。


当然だ、女の子は誰だってお嫁さんになりたい願望を持っている。


少なくとも私は密かに憧れているのだ。


そんな私にローは口元を上げる。



「それは残念だ」

「?……何が?」



ローの言葉の意味がわからなくて首を傾げる。



「俺がもらってやろうと思ってたんだがな」

「……え、う、うそ!」

「そうか……独身を貫くのかお前は」



予想外の言葉に私は慌てて「やっぱり結婚したい!」と叫ぶ。



「フフ……逆プロポーズだな」

「あ」



ついつい勢いに任せて言ってしまったひな祭り。


いや後のまつり。



「上手くねェよ」

「なっ!」

くそっ、ローめ!

「なんだ結婚してくれるんだろ?」

「……してあげてもいいよ」




ツンデレかとツッコまれた


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