黒歴史2話

「は、はじめまして・・・?」
俺の挨拶に対して困惑しながらも返事をしてくれた。
うむ。いい子である。
未だに驚いては居るようだがだんだんと冷静さを取り戻してきたらしい。
「私の名前はミーシャです」
やべぇ・・超カワイイ。ホントやばい。マジでどうしよう、焦るくらいタイプだ。一目惚れとかマジ軟弱wwwとかあざ笑ってた自分をぶん殴りたい。
とにかくこんな自己紹介だけで満足していちゃダメだ。もっと彼女と関われるような話題を・・・話題を・・・・。
はっ!今の俺は異世界(周囲の雰囲気から見ておそらくだけど。)から来て右も左も分からない状態!これを逆手に取って彼女に世話を焼いてもらおう!
いい子っぽいし、俺が困ってるって分かったら親切にしてくれるかもしれない!
最低?ラブの前にはそんなの関係ないんだぜっ!
「あのさ、ここってどこか教えてもらってもいいか?」
取り敢えず地名を聞いておく。つっても俺が今までいたのはここよりもちょっぴり文明が進んでいるみたいな場所。
現在いるのは緑豊かな草原。ちなみに俺の世界には緑っていうか植物がほとんどない。あっても奇怪な姿をしていたり。肉食だったりする。
そもそも青空ってのがありえないし。
つまり地名を聞いてもわかるはずないってのは理解してて敢えて質問する。これは彼女との会話を少しでも長引かせるためっ!
「ここですか?ここはリミド国ですよ。・・・・えっと・・・旅人さんですか?」
空からきた旅人。そりゃだいぶインパクトがあるな。
そう思いながらも、否定する。
「違う・・・かな・・。えっと、多分俺違う世界から来ちゃったっぽい。」

国名聞いただけで違う世界って分かんのかって?いくらお近づきになりたいからって急ぎ過ぎだって?
残念違うんだな。国名を聞いて答える。この時点で俺の世界とは違うんだ。
だって俺のいたとこはもう国の名前ってのがないんだ。ただの魔界。どこにどういう場所があるなんて区別してない。
魔界オンリーだ。名前なんてまっとうなものだいぶ昔になくなった。
それを含めてミーシャちゃんに説明する。
俺の世界では国っていう区別がされていないってこと、リミド国も知らない。
向こうで突然現れた穴に落ちたと思ったら、ここに落ちてきたってこと。
そして俺が今とんでもなく困ってるってことを。

すべて説明し終えると。予想どおり彼女は驚きと心配が混ざったような顔をしていた。
「異世界・・・」
「信じられなくてもしょうが無いよな。俺だって自分が体験してなかったら絶対頭おかしい奴って思うから。」
「・・・・いえ。信じますよ!」
流石に信じられないか。少し残念に思いながら言うと。予想以上に強い声で彼女は否定した。
彼女自身自分の強い声に驚いたみたいで気まずそうに目をそらしてしまう。
「あ、すいません。・・・勇者さんの話は信じます。・・・・信じられます。」
「本当に?信じてくれるのか?」
俺の確認に、力強く頷いてくれる。理由はよくわかんないけど信じてくれることになったらしい。よかったよかった。
しかもしばらくミーシャちゃんの家で面倒を見てくれることになった。
「あ・・でももしかしたら一緒に暮らしてる皆がちょっと五月蝿いかもしれないですけど・・・・。
大丈夫です!絶対に納得させますから任せてください!」
ミーシャちゃん思っていたよりか弱い子じゃなかったのかもしれない。
任せてくださいって言った時のミーシャちゃんめっちゃかっこいい、やばい惚れた。
家に案内してくれるらしい彼女の後を着いて行く。
周りはずっと草原、だいぶ遠くのほうに多分おっきい城と城下町っぽいのが見える。けどマジで遠い。
え、あそこまで歩いてくの?俺基本ピーちゃんの15分散歩くらいしかがっちり歩かないんだけど。運動不足なんすけど。
この距離歩けってマジ鬼畜じゃないっすか。とはいえそこは恋する男の子。
好きな女の子にかっこ悪いとこは見せらんねーってことで根性で歩ききった。すごいね。根性と恋心って。
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