ボーッと空を眺めてた

「ちーとせ」

今日も今日とて放浪しとった千歳んとこに謙也が行こうっちゅうたから連れて来られた。まあ、サボりなんやけど。ちいちゃい公園で学校の近くにこんなとこあったんやなーって何とはなしに見とったら千歳はボーッとしてたのに聞こえたんか、軽く首を回すといつものへらへらした笑いをした

「なんね、二人して。珍しか」
「サボり」
「悪い子たいねー」
「自分に言われたないわ!」
「失礼やね。俺は真面目ったい」

妙に真面目な顔をして言う千歳に謙也が吹いた。うっわ。汚いわ。と顔をしかめてみると、お前何睨んできとんの!と、ヘタレのくせして、叩いてきた。別に睨んでへんし、ちょっと目元キツイだけやっつーねん。

「つーか」
「なんね。ユウジ」
「俺、こない公園あったん知らんかったわ」
「ほんま?俺と千歳…あー、光とか金太郎とかもよくくるで」
「なんで教えんかったんねん!死なすど!」
「えええ、そこまで!」

そりゃあまあ悔しい。きっと小春とか白石とか小石川とか銀とか、まあ真面目なタイプはきてなかっただろうけど。あ、や、白石は時々サボってそうだけど、誘ってくれたってよかったやんけ!心の中で言うと中々落ち着いた。とりあえず千歳の隣に座ったら、謙也は俺と千歳の間になるように前に座った。

「や、なんで前やねん!」
「あえてや!あえて!」
「寂しがりな謙也っちゃ」
「ちゃうわ!あ、せやせや!見とって!俺の超速スピードペン回し!」
「どうだってええたいねー」

千歳の発言に耳の一つも傾けないで謙也は回しやすそうな細めの赤ペンを手にセットした。くるくるっと指先で早く回せば、単純な千歳はぉおおーと声を上げた。「どや!」なんて言う謙也のドヤ顔が若干イラッときた。つーか、それ俺のペンやん。

「ちょ、謙也謙也。それ俺にもやらせてくれん?」
「おー、ええよ!千歳できるんか?」
「もちろん!」
「ぉおー、せやったらやってみぃ!」

だからそれ、俺のペンとちゃうんか。身長に比例して無駄にでっかい手の平に俺の(略)が謙也の手により、我が物顔でおかれる。え、ちゃうん。最初は謙也の見よう見真似でやろうとしたのか千歳は同じようにすると、カッと目を見開いた。

「スマッシュ!」
「えええええ」
「ちょ、えええええ!千歳…、えええええ!」

ユウジのペン!
謙也が叫ぶ。てか、やっぱり俺のペンやったんかーいっ。謙也の後ろにある落ち葉に俺のペンは綺麗な放物線を描いて落っこちた。こいつ何すんのかと思ったらろくなことせんな。
スマッシュっつーか明らかバスケのシュートやろ!勝手に取って渡した謙也が悪いのか、投げた千歳が悪いのか。

「いった!なんで足蹴んねん!痛いわ!」
「痛くしてんやから当たり前やがな!俺のペン!」
「まあまあまあまあまあまあ、落ち着くばいユウジ。」
「……………」
「いかんいかんいかん、それは死んでしまうったい。ハサミはいかん。」

千歳はまあが多すぎてイラッときた。とりあえず俺のペンを拾いに行け。二人で。ゴー。という俺の合図で謙也の得意なスピードに負けない勢いで千歳が走り、謙也も慌てて拾いに行った。あ、落ち葉踏んだ。今、落ち葉にくっついてたたくさんの微生物が死にました。ちーん。









「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -