ねえ宍戸ー

ベッドに顔を伏せながら腑抜けた声を出すジロー。んだよ、と律儀に返事する宍戸。けど、宍戸は返事をしただけであって、読んでる雑誌から一瞬たりとも顔をあげない。律儀だけど優しくない男、宍戸。呼びかけたまま動きも話もしないジローに宍戸はため息をつくと、まだ顔を雑誌に向けたまま、乱暴に呼びかけた。

「おいジロー!!なんか言いかけて止めんのやめろよな。気になんだろ!」
「わ、びっくりしたあ。A、俺なんか言ったっけー?」
「ボケが始まったな。ご愁傷様です。」

あ、よだれ出てたわヤッベエヤベエって。オマエ、ジロー。それ俺のベッドだかんな。オマエ、マジありえねえから。もし侑士だったんなら、マジで殴って蹴ってたかんな。多分アイアンクローもしてたわ。切腹モンだったかんなマジで。でもやっぱりこっそり許してやる、クソ優しい俺。そんな俺もゲーム中だったりする。一回も顔あげてませーん。

「やー。マジマジごめんなー岳人ー。許し天丼マーン」
「ちょ。ジローうるっせ!今いいトコだから黙れ!別にいいから!」
「ねえ宍戸ー!岳人がいーじーめーるー!」
「ちょ、ジローまじ黙れ。うるせーよ。どうでもいいっつの」
「宍戸まで?!うわあ、マジマジショックだCー…!」

もう邪魔するんならアッパーだぞ。俺の跳躍でスーパーな飛び蹴りしてやんぞ。つーか宍戸。どうでもいいって何ぞ。どうでもよくはねえだろ、よかねえよ。今、あれだかんな。マリオとルイージが超競り合ってんだかんな。バナナ置いてきたんだからな。ってか、もうそろそろ帰れ。ジローはともかく宍戸はちょっと遠いだろ。送りに行くの面倒だからさっさと帰れ!

「なぁ、オマエらー。頼むからそろそろ帰れよ」
「は?岳人、オマエ。俺らの仲じゃねえか。泊めろよ」
「死ね」
「すぴーすぷー」
「オラ、ジローも寝ちまってんだろ」
「オイ、ジロー。いびきわざとらしぃんだよ。嘘寝こいてんなよな」

バシン!と叩くが、反応がない。あ、コイツマジ寝だ。








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