熱を持ったまぶたの裏側に、航海士の笑顔が浮かぶ。

ひりつくこころの内側で、航海士への想いが「ここから出して」と暴れるようだ。

......好きなの、と。

ただ、好きなの、と。

そう言えたらよかった。

過去も未来も怖れずに、そう言えたらよかった。

でも言えなかったのは、言の葉の呪縛に、海を行くあなたの笑顔を奪われたくなかったから。

戻りたい。

けれど、戻れない。

ゆりかごで幼な子を穏やかに揺らしながら育てるようにこの愛をはぐくむには、ロビンが生きてきた道は、あまりにも行き止まりだった。





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