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「あっ、ワムウさん!サンタナくん!」
「…ン?ナマエか。随分と久しいな。元気そうで何よりだ」
「ワムウさんもサンタナくんもお元気そうで!どうしてるかなって思ってたから会えて良かったです」

道端でばったり、ワムウさんとサンタナくんに遭遇した。何処かへ出掛ける予定なのか、今から帰るところなのかは分からない。
それよりも二人の服装が気になった。もう1月だと言うのに、この寒い中でも薄着なのだ。体の線がくっきり浮かんでいるし、上なんて一枚しか着ていないのだろう。信じられない。そういえばカーズさんも褌一枚で過ごしているし、柱の一族は寒さに強いのだろうか。

「ナマエ、今から時間はあるか?」
「え?有りますけど…どうかしたんですか?」
「喫茶店に付き合って欲しい。サンタナと二人で行こうか迷っていたのだが、彼処は女ばかりでどうも我ら二人が行くと…」

そこまで言ってワムウさんは口籠もった。
成る程、今から行く予定だったらしい。私も本屋の帰りでこの後は買った本を読むくらいの予定しかないし、それよりもワムウさんやサンタナくんと過ごした方が楽しそうだ。
私で良ければ喜んで、と返すと、サンタナくんが嬉しそうに「恩に着る…」と言ってくれた。それがもう年上とは思えないほどに可愛らしくて、顔が綻んだ。


***


「サンタナくんはどれにする?」

隣に座ったサンタナくんの前にメニュー表を持っていく。サンタナくんは少し首を傾げてから「わからん」と声を発した。

「ナマエはどれにするんだ」
「うーん、じゃあ…これにしようかな」
「じゃあ俺もそれにする」

「ワムウさんは?」
「俺は珈琲で良い」
「じゃあ注文しますね」

実はこの二人、意外にも喫茶店へ来るのは本日が初めてだと言う。サンタナくんがパフェに興味を持ったらしく、それならばと喫茶店へ行く話になったのだとか。でも男二人で行くのもなと迷っていたところへ私が通りかかったらしく、そうして今に至る。
そんな訳でサンタナくんは喫茶店へ来るのも、パフェを見るのも食べるのも正真正銘初めてで、本日が初挑戦ということだ。サンタナくんは甘いものが好きな筈だが、果たしてパフェは気に入るだろうか。


程無くして運ばれてきたパフェにサンタナくんは目をキラキラと輝かせた。

「一杯乗っている…!」
「良かったね、サンタナくん」

サンタナくんが嬉しそうにしていると此方も嬉しくなってくる。口一杯にパフェを頬張るサンタナくんにまた笑みが漏れた。

「ワムウも食べるか?」
「いや、俺は良い…」

対して甘党ではないワムウさんはパフェを見て顔を青ざめさせた。生クリームのような甘ったるいものの極みは御免だと顔に書いてある。
珈琲を啜り始めたワムウさんを見てから私もパフェに手を付けた。


「…その、カーズ様は元気にしておられるか?」

カップの取っ手を弄り、少し恥ずかしそうにしているワムウさん。カーズさんとは離れて暮らしているし、やはり気になるのだろう。

「そりゃあもうピンピンしてますよ。此方が疲れるくらいですから」
「そうか…」

あまり表情には出ていないが、まるで自分のことのように嬉しそうにするワムウさんを見ていると、それだけでカーズさんへの忠誠心が分かる。カーズさんは良い仲間を持ったものだ。

「…ああ、そうだ。今度吉良さん達皆が外出して家を空ける日があるんです。その日、家にはカーズさんと私しか居ないので、良ければ泊まりに来ませんか?ワムウさんなら吉良さんも許してくれるだろうし」
「い、良いのか!?」
「ええ、勿論。カーズさんも喜ぶだろうし。サンタナくんも来る?」
「そうだな、行く」
「じゃあ決定だね。エシディシさんもついでに呼んであげましょうよ」

そうだな!と嬉しそうに頷いたワムウさんは間違いなく本日で一番輝いていたと思う。


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ついでなので、サンタナとも絡ませてしまいました。むしろサンタナの方が出番が多かったような…。

夢主よりサンタナの方が遥かに年上の筈だけど、『サンタナくん』呼びです。この二人は友人というより姉と弟の感覚の方が近いのかもしれない。
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