▼ 過去 (1/12)
ラコッテ村は、旅立った時と変わらず、豊かな自然と共にそこにあった。
「…ラコティリアの花を取りに来た以来かな」
傍らのレイラがしみじみと呟く。
あの時は一刻を争う事態だったし、落ち着いて帰郷を喜んでいる時間なんて無かった。
けれど今回は違う。
ちゃんとエリィに2、3日の休みを取っての帰郷だ。
話すこともたくさんある。
それに、
「…今日こそ教えて貰うんだ」
母と父の事を。
過去に何があったのかを。
「ロラン!レイラ!何してんのー?早くラコッテに案内してよー!」
「そうよー!紹介してよ色々ー!」
やたらとテンションの高いラックとレイムの二人組は、早速村の入り口で跳ね回っていた。
その様子に苦笑しながら、久方ぶりに村の門をくぐった。
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