カータリアの下宿人 | ナノ


▼ ハロウィン 

ディ「お化けなんてないさっ、お化けなんて嘘さああああっ!」

ユーフ「ちょ、耳元で叫ばないで下さいよ」

シェス「お化けって……ああハロウィン?でもデュムフレイのハロウィンパーティーはまだ始まってないけど」

ディ「朝起きたら枕元…枕元にっ……妖怪ドデカ毛布があああ」ドタバタジタバタ

コテツ「誰が妖怪じゃ!」

アルア「パーティーまでに練習しとこうと思って…ごめんねディーン、そんなに驚くとは思わなくて…」

シェス「というか、コテツって妖怪の部類じゃないの?」

コテツ「この調子じゃとハロウィンパーティー本番はどうするのじゃ」

シェス「あー…無視ですかそうですか」

ユーフ「こうなったらアレですよ。お化けに慣れてもらうしかないですね」

ディ「やだ」キッパリ

シェス「うわ、即答」

コテツ「そうやって逃げるから人間成長しないのじゃよ!挑戦あるのみじゃ!失敗など恐るに足らず!」

シェス「海から逃げていたのはどこの誰だっけ」

ユーフ「それ以前に人間じゃありませんよね」

コテツ「細かいことを気にしとると老けるぞ」

アルア「えっシェスナおじいちゃんになっちゃうの!?」

シェス「ならないよ!」

コテツ「安心せいわらわにはパーペキなアイデアがあるのじゃ。そんな訳で行くぞー!」

ディ「嫌だああああああぁぁああ」




シェス「そして案内されてきたここは」

ユーフ「夜の、トンネルです。お先真っ暗闇。まるで先が見えません」

ディ「どうみても何か出てきそうです。という訳で僕は帰」

コテツ「らせないぞ」ガシッ

ディ「くそっ僕のプリティテイルを掴むだなんてそんな卑怯な」

アルア「デュムフレイにトンネルなんてあったっけ?」

シェス「そこツッコんじゃだめだよアルア。ツッコんでいい所と悪い所を見極める。それツッコミの極意」

ディ「ねぇ、ここでどうするのさ。既に最悪なシナリオしか浮かんでこないよ?トンネルの悪霊に僕らは呪い殺されるの?」

コテツ「いいアイデアがあると言うたじゃろう?恐怖心の克服……それすなわちどんちゃん騒ぎ!」ババーン

シェス「うん……うん?」

コテツ「どんちゃん騒げばお化けも逃げてゆくじゃろうて。恐怖心に打ち勝ち騒ぎまくるのじゃ」

ユーフ「イケますよディーンさん!どんちゃん騒ぎはカータリアの得意分野じゃありませんか」

ディ「そっか……うん!僕頑張るよ!」

アルア「じゃあみんなで歌いながらあのトンネルの向こうへ!」

コテツ「ならん」

シェス「え」

コテツ「あんなトンネルなんてデュムフレイには無かろう?考えられることは一つじゃ」

ユーフ「もしや」

コテツ「入ったら最後、そこからは出られない」

ディ「……ぎゃあああああああ!!」





ディ「という夢を見たんだ」

シェス「…疲れてるんじゃない?」

ディ「そうかなあ…」

ユーフ「そうですよ、ハロウィンパーティーはもう終わっちゃいましたし」

シェス「悪霊とかハロウィンっぽくないしね」

コテツ「皆の衆大変じゃ!」

アルア「な、何?」

コテツ「デュムフレイ北部に謎のトンネルを発見!今すぐ調査に向かわなければ!」

ディ「ぎゃあああああああ」


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