小会議室から出て、携帯を見たら、着信履歴がものすごいことになっていた。
主にお兄ちゃんと音弥から。

pipipipipi
ピッ

『はいもしm「あ、渚!?お前いまどこいんの?」…どこって、町でプラプラしてる』

さすがに、THIRD-iに拉致られてましたなんて言えない。
ましてや勧誘されましたなんて。

≪「町でプラプラって、お前な!!まだ授業のこってるだろ!誰かに言ってさぼるならまだしも!」「そうだぞー先生が騒いでたぞー」≫

電話越しでもうるさい二人の声。
『二人とも過保護すぎる。てか今忙しいから、今日学校戻れない。先生にいっておいてね』

ピッ

そういって強制的に電話を切った。
「電話、お兄さんから?」

『そうです、それとその友達。二人とも過保護で』
「電話切ってよかったの?」
『ああなったら長いんですよ、じゃあ南海さん、案内お願いします』

そういって、THIRD-iの中を案内してもらう。
ロッカーとか、休憩室とか。
さすが、ハイテクな感じでなんかちょっと感動した。

「ざっとこんな感じかな、分からないことがあったらまた聞いて」
『ありがとうございます』


ロッカー案内してもらったときに、南海さんが着てるような出動服っぽいのと
防弾チョッキと、あといろんなテキストを渡された。

出動服着て、IDつけて霧島さんのところへ連れて行ってもらった。


「なかなか似合ってるじゃないか、君のチームを紹介しよう」

霧島さんにそういわれて、辺りを見回してみると、そこには身長の高い男が5人。

「神崎 翼(かんざき つばさ)32歳、以前は警備会社につとめていました」
「藤堂 彰良(とうどう あきら)26歳、警視庁警備部機動隊からこっちにきました」

「竜円寺 陵(えんりゅうじ りょう)同じく26歳です〜!オレは今までTHIRD-iいて武装チームにいました!よろしくです!」

「不動 龍騎(ふどう りゅうき)です、24っす。ここきたばっかっす」
「桐谷 悠紀(きりたに ゆき)、22歳です。同じくここきたばっかりです」

全員身長は170センチ越え、といったところか。

『高木渚です、16歳です。高1です、よろしくお願いします』

自己紹介をしたら、若ぇ〜という声が聞こえてきた。
「高木、コレは君に支給されるPCだ。外で、何か作業をするときはこの端末を使うといい。ここにいるときは、ここが君のデスクだ。このPCも好きに使ってくれ」

さすがはTHIRD-i
いいもん持ってる。

『わかりました』

そういって、霧島さんはさっていった。

とりあえず、席についてPCを立ち上げる。

『え、何ですか?』
そうしたら、何か視線を感じて、見たらメンバーが全員こっちを見ていた。
神「いや、ずいぶんと落ち着いてるなと」
藤「高木さんの事情は聞いてます。急にこんなことに巻き込まれて、驚きも怒りも、わめきもしないし」

みんな同情の目でこちらをみていた。
『まあ、わめいたって現状がかわる訳ではないですから。立ち向かわないと、勝てないですからね、立ち止まっていても』


誰かが立ち向かわないと、闇は振り払われない。

「さすが、高木さんの娘だね。先ほど、ファルコン、君のお兄さんにも協力を頼んだ。
ロシアの軍事施設のコンピュータをハッキングして、極東の町が何故ほろんだのかを調べてくれと。まあファルコンは拒否してたけどね。早速、君のチームにお願いがあるんだが、高木、君にはファルコンの監視をお願いしたい。もし、どこかにハッキングしたりする様子が見られたら、彼がやりやすいようにバックアップしてくれ。それから、神崎、藤堂にはファルコンとその妹の身辺警護。これからテロリストに狙われる可能性がある。要人警護の経験がある君たちにしかできないことだ。竜円寺は、ネット上で変な動きをしている者がいないかの監視、不動、桐谷は工藤が調べたテロリストの一覧をもとにそれを監視。何か動きがあれば逐一報告をしてください」

『わかりました。藤堂さん、神崎さん、兄と妹をよろしくお願いします』

この二人なら、大切な兄弟を守ってくれる。
そう感じた。

「「いえっさ」」

そういって二人は無線をもって出て行った。
竜「じゃー本領発揮と行きますか!」

桐「では、俺たちも外にでますので何かあったらTELください」
不「いくぞ」

それぞれが自分の持ち場に戻った。
私も、兄の監視をしなくてはならない。

兄も何だかんだで、正義感が強いから、今回のことを断り切れないかもしれない。

ブーッ
突然なった携帯のバイブ。

発信者は音弥だった。

『もしもし、今度は何?』

≪「あー、一応報告なんだけど、俺たちのクラスに安斎真子っているだろ、安斎が、バイトをしてたところを見つかって停学処分になったんだ」≫

安斎真子、たしかおとなしい女の子で学費を払っていくのに、バイトするしかない子だったはず。
それを学園側が猶予もなく停学?

『それで?』

≪「藤丸が、日景の部屋の前で安斎が泣いてるところを見たって。それも服が乱れてて、声かけようとしたら逃げられたっていってた。もしかしたら、藤丸の奴、日景のPCにハッキングするかもしれない」≫

思わぬところからの情報、
学園のPCならセキュリティも大して強くないし、
難なく入り込むことはできるだろう。

『わかった、教えてくれてありがとう。あのさ、もしまた兄さんが、どこかにハッキングしようとしてたら教えてくれないかな』

協力者は多いにこしたことはない。
其れに、音弥は頭も切れるし。

≪「わかった、じゃあきるな」≫

電話が切れたことを確認して、私は霧島さんに報告をする。
『霧島さん、ファルコンが動きます』

「早いな、確かか?」
『はい。ターゲットは弥生学院高等部生物学教授の日景のPCです。今回は緩いセキュリティのところなので下手にバックアップに入ると不自然に思われます。THIRD-iがファルコンに接触するまでは、ゴーストとしての接触はさけるべきかと』

きっと、コレをきっかけにTHIRD-iは兄と再び接触する。
私のときみたいに協力しなければ逮捕するだけとか言って、逃げ道を消すんだろう。

「わかった。ありがとう、引き続き監視を頼む」

PCに集中していたら気づいたら時間が結構たっていた。
『竜円寺さん、何か収穫はありましたか?』

「渚ちゃん、ブルーバードってやつ聞いたことある?」

ブルーバード……

『いや、ありませんけど、そいつがどうかしたんですか?』
「なーんか、いろんな施設に攻撃を仕掛けてるんだけど、監視システムに引っかかりそうになってどれもスレスレで逃げてるんだよね、気にならない?」

『ほんとだ……システムサーバに入り込んでは穴ばかりあけてる……』

でも、データを書き換えずに監視システムをぎりぎりで回避してるところをみると、
こいつの技術ではハッキングが難しかったってことだ。
脅威にはならないレベルのハッカーだと思った。

『脅威にはならなさそうですが、気になります……こいつのログたどって、IPが分かれば書き出してください』

「了解だよっ」

どんなに小さなハッキングでも、今、ハッキングを仕掛けたりクラッキングをするような輩はマークしておく必要がある。

『テロリストにとって、情報は命。より技術の高いハッカー、クラッカーが必要になる。めぼしい者がいたら、勧誘している可能性もありますので、監視を厳重にする必要があります』

つまり、ファルコンにもテロリストが接触してくるかもしれないということだ。
高いハッキング技術を持つ兄は敵になれば脅威になる。





 / 





人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -