今日は俺の家に佐渡君と諏訪が来てる。
テストが近いからって皆で勉強する事になったんだけど。
2人にお茶とお菓子を用意して部屋に戻ったら早くも勃発していた。
「おい!何でてめぇが倉橋さんの隣に座ろうとしてんだよっ!」
「お前も隣だろ。机囲んで座ってんだからさ」
「うっせぇ!てめぇは部屋の隅っこにでも座ってろ!」
あぁ、またか。この2人はいつも何かと言い争いをしてる。主に佐渡君が一方的に捲し立ててると言うか…頭痛いよ。
「諏訪、佐渡君、お茶持ってきたよ」
何とか場を和ませようと2人の前にお茶とお菓子を置くと急に黙り出す佐渡君。
さっきまで大人しくしてほしいと思ったけど黙ると余計怖い。
「倉橋さん」
そう思いながら持ってきた煎餅を頬張ってると不意に手を握って真剣な表情を浮かべる佐渡君。
真剣さが俺にまで伝わってきて食べる手を止めて俺も真剣に見つめ返す。
どうしよ、緊張してきた。
「な、何?」
少し声が震えちゃったけど用件を尋ねるとさっきとはうってかわって眉を垂らした情けない顔になった。
「何で…何で俺は呼び捨てじゃないんスか!」
「……え?」
「倉橋さんの君付けも何か初々しくてすっげぇ可愛くて好きなんスけどやっぱりここは新しい仲間として、またこの先倉橋さんの伴侶となる男としても一歩前進したフレンドリーな感じで呼び捨てで呼んでほしいんスよ!」
息継ぎすることなく話しきった佐渡君に呆気に取られて何て返したらいいのか分かんない。
諏訪は何か楽しそうに見てるし。
大体、伴侶って何?
「つーことは、今は俺の方が美波の伴侶に近いってことだよな」
「あ゙ぁッ!?」
悪びれもなく諏訪が言ってまた勃発。何でいちいち佐渡君の神経を逆撫でちゃうかなぁ。
「ちょっと、やめろって諏訪とさわた…」
2人を止める為に名前を呼ぼうとするとかなり目を輝かしてこっちを見てる佐渡……君。
「さ、さ、佐渡っ」
「く、倉橋さん!!」
たかが呼び捨てで呼んだだけで嬉しそうに笑う佐渡君。いつもの怖い雰囲気を漂わせた綺麗な顔は残念な程にだらしない顔になって台無しだよ。
ていうか、そんなに呼び捨てで呼ばれんのが嬉しいのかな?
「じゃあさ、俺もランクアップして聖史って呼んでくれよ」
まぁ、確かに佐渡君だけランクアップもおかしいか。諏訪とは結構付き合い長いし。
「せ、聖史」
ああ、諏訪までだらしない顔になってる。
そんなに名前呼ばれるのが嬉しいのかな?この2人なら名前呼ぶどころか何されても良いって思ってる子はいっぱい居るだろうに。
「てめっ!お前は諏訪で良いだろーが!てめぇにはそれ以上の存在価値はねぇっ!」
「佐渡だけランクアップは不公平だから俺もランクアップしただけだろ」
「倉橋さん!なら俺も愁悟って呼んで下さい!」
「じゃあ、俺は更に上のダーリンだな」
「ダーリンだぁっ!?ふざけてんじゃねぇぞゴルァッ!!」
ああーっ、頭痛くなってきた!
「もうっ、諏訪も佐渡君もうるさい!静かにしないなら追い出すよ!!」
そしてまたふりだしに戻る。
2011/01/14
三つ巴ってみた。
この3人は機会があれば書きたいな。
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