少し年下の可愛い恋人。
部活終わりの恋人を待つのが最近の日課。
私の幸せな時間。
「今日もお疲れ様」
「っ…またあんたか。毎日飽きないな」
電柱の影から急に出てきた私に驚く愛しい人。
照れ屋な彼はいつも私が隣に並ぶ前に歩いていってしまう。
その後ろ姿を見るのも幸せで自然と笑みが溢れてすぐに追い掛けた。
「何でいつも待ってるんだよ」
「そんなの、早く君に会いたいからに決まってるだろ?」
素っ気なく話しかける愛しい人。
横目で私を見てから興味がないと言わんばかりに前を向いて歩調が速まる。
その分二人きりの時は凄く甘えたで私から離れないのに。
素直じゃない、まるで猫みたいな彼が愛しくて仕方ない。
愛おしさが募って思わず彼を抱き締めた。
「ねぇ、今から私の家においでよ」
「なっ…誰が行くか」
道端で抱き締めたもんだから機嫌を損ねてしまったみたいで私の腕の中から逃げようとする。
でも私より一回りは小さい彼を逃がさないように腕の力を強めた。
「つれないなぁ…」
こめかみにキスを落とすとビクッと震えて体が強張るのを感じる。
何回抱かれているのにキスすら慣れないなんて、本当に愛しい人。
「前世であんなに愛し合ったじゃないか」
気丈に振舞っていたのに腕の中で震える愛しい人。
ああ、怯えた顔も可愛いね。
Fin.
2015/5/14
読んでて最後にまさかの展開っていうのに憧れて書いてみましたがそんなにまさかの展開になりませんでした。
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