Loneliness | ナノ
 



どうしようもないぐらい会いたくて
どうしようもないぐらい恋しくて


『淋しい』


ただ一言、メールを送った。



仕事が忙しいことぐらいわかってる。
疲れてるってこともわかってる。
自分だって同じやから。
卒業して就職して、忙しい時期やということもわかってる。
それやのに、自分の気持ちを押しつけた。
ただのエゴを送りつけた。


「(何であんなん、送ってもうたんやろ)」

暫く何をするわけでもなくぼーっとしてると頭が冷静さを取り戻してきた。
何で、あんなことを言うたんやろ。
伝えたところでどうすることも出来へんのに。
あいつを困らせることぐらい解っていたのに。

「はぁ〜………」



━ ピンポーン



「ん?」


インターホンの音が部屋に響く。
今の時間は日付を越えるか越えへんかの時間帯。
来客者が来るには遅すぎる。


「……もしかして」



━ピンポーン・・・ピンポンピンポンピンポンピンポン



「え、ちょっと、わかってますて!」


荒々しく何回も鳴り響くベルの音に慌てて玄関へ向かう。
厳重に閉められたドアを開けるとそこには愛しい人が立っとって、


「………何でそんなに汗だくで息切らしてるん?」

「そんなん、急いできたからに決まってるやろ!」


そう言うとすぐに視界から消えて次いで温もりに抱き締められた。


「僕かてめっちゃ淋しかってん。それにあんなメール来て会いに行かへんわけないやん」


やっぱり変に気を遣わせてもうたんや


「ごめんな」

「………謝罪の言葉なんか要らんわアホ」


俺よりも頭一つ分小さい彼が不満そうに見上げてくる。

いつもそうや。
俺が謝る度に謝るなて言う。
聞きたい言葉はそれやないと


「ありがとうな」

「どういたしまして」


今度はさっきとは打って変わって優しい笑みを浮かべてた。

大好きな彼の愛しい笑顔。


「また淋しくなったらいつでも言うんやで?」

「うん」

「いっそのこと、一緒に暮らしたらえぇんやけどなー」


冗談を言う時特有の笑みを浮かべながら呟かれた言葉。
でもこれは、多分本心。


「ほんまやなー」


俺が同意するとは思ってなかったんか目を見開いてこっちを見てる。


「一緒に住みたいわ」


俺も彼に対抗して冗談っぽく笑みを浮かべて返した


「……アホ」


君と一緒に居れるなら
淋しい夜なんか訪れへん
君と一緒に居れるなら
これほどの幸せはないわ


「ほんま寂しがり屋で甘えたやねんから……愛してんで」

「俺も、愛してる」





2010/12/17
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『お揃い≦ペア』の二人のその後
口悪くてちっちゃいツンデレ×背が高くて寂しがり屋な我慢しい
表現できてるかが心配



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