変態執事にご用心 | ナノ
 



朝の眩しい光がカーテンの隙間から差し込んできて目を覚ましてしまった。
今日は休日だしもう少し寝ようと寝返りを打てば隣には俺の執事が笑顔で横たわっていた。
こいつ、いつからいるんだ?それよりも何してんだ?


「坊っちゃま、おはようございます」

今日も甘い笑顔で挨拶を交わしてくるが今はそれに構っている暇はない。

「何故お前が俺のベッドに入ってきている?しかも全裸で」

こいつは明らかに服を着ていない。というかいつも着ている服がベッドの側の椅子にかけられている。
何故脱いだ?学校の友人がよく全裸待機とか言っているがその類いか?

「坊っちゃまが寝顔を見ていたらムラムラと…ふふ、何でもありません。このままでは支給していただいたスーツに皺がついてしまうと思い脱いでみました」

何でもありません、じゃない!何で主に欲情している!?
しかも何ナチュラルに人の手を取って手の甲にキスしているんだ!

「離せっ。早くベッドから出て服を着ろ。俺も着替える」

「それではお手伝「命令だ、服を着ろ」


渋々と言った感じでベッドから出て脱いだ燕尾服を着て始めた。
こいつは仕事も出来るし気配りも上手い執事なのに何故こうも残念な変態なんだ…
俺とお前は言わば主従関係だぞ?ここは一度はっきり言い聞かせるしかない。

「良いか?俺は主でお前はその従者、執事だ。俺に変な気を起こされても困る」

「存じております。私は坊っちゃまの卑しい家畜です」

「待て、そこまで言ってない」

「ですが坊っちゃまが望むのならこの身を差し出す準備はいつでも出来ています」

「おい、着た服を何故また脱ぐ」


駄目だ、全く分かっていないだろこいつは。
でも……ここまで慕われるのは悪い気がしない。
俺もつくづくこいつに甘いな。


「ふん。…俺はお前をクビにしたくはない。だから分かっているだろうな?」

「はいっ!任せて下さい!満足させてみせます!」

「だから何故服を脱ぐ!?」


取り敢えず明日こそはこのやり取りをしなくて済むようにと祈るばかりだ。





2011/10/23
変態な執事を書きたいなぁと思って書いてみました。欲望に忠実な露出狂の執事です。
ご主人様も何回も繰り返すこの朝のやり取りの所為で絆され気味です(笑)


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