くーるびず | ナノ
 



梅雨も終わりに近付いて暑くなってきた今日この頃。


「創(はじめ)、はよ。今日も暑いな」

「……智輝(ともき)君、そ、その格好何?」

恋人が女の子になってました。




「暑いからよぉ、涼しい方法は無いかと思って考えたらスカートに辿り着いたんだよ。すんげー涼しい」

目を細めて笑う智輝君は格好良いけどスカートの端を摘むのは止めてほしい。
目、目の行き場がっ…パンツ見られても気にしないんだと思うけど僕が耐えきれないよっ!
しかも智輝君、女の子なのはスカートだけじゃない。

「あ、あの…何で化粧までしてるの?」

「あ?どうせなら化粧させろってミカが」

「どうっ?あたしの最高傑作よ!智輝は顔は良いから楽しかったわぁ」


化粧ポーチを持って得意気に笑ってるミカさんの目は凄く輝いてる。本当に最高傑作なんだ。
確かに智輝君は元々格好良いし睫毛だって長いし…だからかな?
女装した智輝君は凄い美人。
よく智輝君の周りに集まってた女の子達よりも断然可愛い。

「ねぇねぇ鞍田(くらた)君、学校新聞に載せて良い?」

「あー…どうせなら創も着ろよ。スカート」

「えぇっ!?」

「それイイじゃないっ!武藤(むとう)君なら可愛いわぁっ!これ、武藤君のスカートねっ」

渡されたスカートと3人の顔を交互に見合わせる。
可愛いって…ぼ、僕がこれを着ても笑いすら起きない自信があるよ。


「載るなら創と一緒が良いな」

「……き、着替えてくる」

結局、智輝君の笑顔を見たら断れなくてトイレで履き替えた。
着替えたのは良いけど周りの視線が痛いよぉっ。
これなら教室で履き替えるべきだった!



「…鞍田君怖いねぇ。武藤君にスカート穿かせたいからって自分が女装しちゃうなんて。昔の鞍田君からは想像出来ないよ」

「あ?スカート穿くぐらい何て事ねぇだろ。ミカもよくやった。」

「当たり前じゃない。あたしを誰だと思ってんの?あたしだって武藤君のスカート姿見たいのよ。恥ずかしがって可愛いと思うわぁ」




周りの視線から逃げるように教室に逃げ込んだ瞬間、ミカさんに脚を触られたり金野(かねの)君に写真を撮られた。
その後すぐに鞍田君に連れられて人が居ない教室で、その、あの…。
次の日の学校新聞には『今流行りのクールビズ』って見出しで鞍田君とのツーショットの写真が一面を飾られた。



またあの可愛い智輝君が見られるかなぁ、ってちょっと期待しちゃったり。
僕はもう穿きたくないけどねっ。





2011/06/25
『飽和感情』の2人をまた書いてみました。
鞍田君は前よりもノリが良くなって武藤君関係には手段を選ばなくなりました(笑)
何気にミカさんがお気に入りです。


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