小説 | ナノ





星をたたえる(アーハチ)






※淡く性的な行為をにおわせています









深い仲になる以前から、彼はよく私を褒めそやしてくれていた

ハチクさん

綺麗です、まるで雪のようだ
雪に、氷に包まれた世界に光が差しプリズムのように煌めく風景そのものだとても目映い、綺麗です。雪の下で春を芽吹きを待つ植物のようにしなづよく強かだ、貴方を見たまま 感じたまま描く事が出来たならどれだけ素晴らしいだろうか誇らしく感じるだろうか解りません

彼の言葉一つ一つが面映く、耳を胸を擽っていくのがむず痒くしかし温かく心地好い

そして星屑の降る夜のような言葉は閨でも容赦なく私に降り注ぐのだ

綺麗です、ハチクさん綺麗、綺麗
可愛い、綺麗、まるで天使みたいだボクの女神様だ
好きです 好きです
好きです あなたの全てが欲しい

今だけは ボクのハチクさんになって

言葉が肌が触れ合う度、羞恥と快楽と愛慕がとろけ境目を失ってしまう。ぐずぐずになっていく心と体を満足げに見下ろしていたと思いきやあっという間に互いの熱も鼓動もとけて重なりずれてくっついてを繰り返す。ああ、知らなかった頃には戻れない

そして彼は、また私を愛で褒めそやしてくれるのだ




191209