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5月11日(デンオ・イッシュリーグ)






・感謝と差異

「なんだよその手元のモンはよ」
見下ろす先のデンジの手の中には今日に送るにうってつけな花がある。
「今日は母の日です」
知ってるよ、俺キクノさんにあげたもん。キクノさんは俺のお母さんじゃないけど、何時も世話になってるから。ゴヨウさんもシロナさんもあげてたし、他のプレゼントもあげてたし、リョウに至っては感謝の手紙すら読んでたくらいだ。でも、デンジ?今回ばかりは悪ふざけのターゲット間違えてねーか?

「俺はお前のお母さんじゃありません」
「知ってます、最近気付きました」
「とうの昔から気付こうかデンジ君?!」
やばいやばいやばい、デンジの思考がまた異次元だ。腹減りすぎたか?待ってろよ、今焼きそばと餃子と炊き込みご飯と蒸し野菜(キャベツ、じゃがいも、その他数種類)と味噌汁、って壊滅した献立が出来上がるからな。
「知ってますかオーバさん」
「何がだよ、敬語がおっかないから普通に喋ろうかデンジ君?」
「赤いカーネーションはお母さんへの愛情、オレンジのカーネーションは熱烈な愛情と言う意味があると言う事を!」
デンジの右手には一本の赤いカーネーション、左手には花束かと言う程のオレンジのカーネーションが握られている…ぐあっ

「何時も有り難う、すっげぇ愛してる、俺の嫁さん」

・感謝と差異 in イッシュ

「レンブー、はいどうぞ!」
「…なんだ?この花は」
「カーネーション!」
「違う、花の名前を聞いているんじゃない、何故俺に花を渡そうとしているのかを聞いてるんだ」
「んとね、アイリスはお母さんと一緒に住んでないから一番お世話になってるおじいちゃんと、いつもご飯作ってくれたりソウリュウシティまで送ってくれるレンブにあげようと思って準備したの!」
「は?」
「あ、そうだ、その前の話だ!今日はカントー地方やホウエン、ジョウト、シンオウで母の日って記念日なんだって!」
「はあ??」
「お母さんに感謝の言葉を示す日なんだって!はい、レンブにお手紙も書いてきたよ!」
「いや、俺はアイリスの母親では…」
「レンブさん、私からも受け取って下さい!」
「レンブ…いつも、ありがとう ね?あたくし、本当にかんしゃ、してますわ…」
「シキミ?カトレア?!」
「レンブ、私からも」
「待て、何故お前も渡そうとする」
「だって奥さんに渡す日でもあるってシキミに聞いたから」
「何時からお前の妻になった!何時何処で?何時何分何秒?ディアルガとパルキア何回息してる時に!?」
「君意外と博識だよね、でも今此処で私と君の関係を論じている暇は無い!さあレンブ、」

『私達の愛を込めた花束と手紙を是非どうぞ!!』

「何が何だかさっぱりだぁあ!!」





5月11日にあげたメモのネタにちょっと手直し。

14/5/11