同窓会で初恋の人と再会、実は両想いだったと発覚
頭の中でぐるぐる回っているのは、喧騒の中で聞いた衝撃の事実。
琥一くんが私のことを好きだったって…どういうこと?
そんな爆弾発言をしたのに、私の隣で素知らぬ顔してお酒を飲む逞しい腕の持ち主。
居酒屋が狭いせいで、その腕の持ち主にぴったり寄り添うように座るしかない私。
服を隔てていながらも、伝わる熱が高くなっていくのがよく分かった。
琥一くんと再会したのは、高校の入学式の朝だった。
その前日に再会を果たしていた琉夏くんが、琥一くんを連れだって私の家へと迎えに来てくれたのだ。
最初は、小さな頃の風貌とかけ離れすぎていて、ただただ驚くばかり。
でも、時間を重ねるにつれ、中身は小さな頃の不器用で優しい琥一くんのままだってことがわかって。
小さな頃に感じていた、幼すぎて恋という名がつけられることすら知らなかったこの気持ちに火がつき、再び惹かれて恋焦がれるのに時間はかからなかった。