short stories*R-18 | ナノ


ある夏の日の策略


「ねぇ、美奈子。今日付き合ってもらいたいところがあるんだけど、放課後時間ある?」

「うん、今日は何も予定入ってないから大丈夫だよ。どこかに行くの?」

「そう、どうしても行きたいお店があるんだ。そこに一緒に行こう?」

「うん、分かった。じゃあ放課後に靴箱の前で待ち合わせね。また後でね、琉夏くん。」

その答えにニッコリ微笑むと、俺も教室に向かって歩き出した。

放課後に起こす企みのことばかり考えていたら、授業なんて上の空。
大迫ちゃんに叱られちゃって悪いなとは思った。
思ったけど、楽しみ過ぎてそれ以外考えられない。
今すぐにでも放課後になっちゃえばいいのにな、なんて。


いつもよりずっと長く感じた時間が終わり、掃除も素早く終わらせて一目散に靴箱に向かう。

そこに見えたは今日の獲物の美奈子ちゃん。

「あっ琉夏くん!」

とびっきりの笑顔で迎えてくれた。
ああもう、ちょーカワイイ!

まるで飼い主に構って欲しくてたまらない子犬のように、すぐさま美奈子に駆け寄った。

「いいな、こういうの。青春って感じ?よし、行こう!」

「ねぇ、琉夏くん。今日はどこに行くの?」

「まだナイショ。俺に付いてきてくれれば分かるから。だからおしゃべりしながら歩いて行こう?」


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