▼ The perfect world
「琉夏くん、お誕生日おめでとう」
「ありがとう」
繋がれた手の温もりを感じながら隣に座っている美奈子に視線を合わせると、綺麗な微笑みが待ち構えていた。
「美奈子……ありがとう」
俺に幸せを与えてくれてありがとう。
俺に生きる希望を与えてくれてありがとう。
俺の隣にはいつも美奈子がいて、美奈子の隣にはいつも俺がいる。
これ以上望むものなんてなにもない完璧な世界。
来年も再来年もこの先ずっと、この幸せが続けばいいと願いながら美奈子の温もりを確かめるように抱き寄せた。