いつもの朝

「おい、透!いつまで寝てんだ!」

いつもの如く勢い良く部屋の扉は開かれた。この声は…クロウか。今日は珍しく起きてる。脳だけは。体は未だ布団の中だから、声だけ聞こえている状態だった。そんな俺の様子にクロウは呆れた様子で布団を剥がした。少し肌寒くなって剥がされようとしている布団を掴む。

「寒い」
「ならさっさと起きて体を動かせばいいだろ!」

やばい、正論で返ってきた。ここで駄々をこねれば、容赦なく叩き起されるだろう。まぁ、今も叩き起こされようとしているが。

「しょうがない、起きてあげよう」
「上から目線かよ」
「痛ッ」

何も叩かなくても…。俺は叩かれた額を押さえながらモゾモゾと起きあがる。

それからクロウは俺の支度が終わるまで小言を言いながらも待ってくれていた。…すごく、お母さんみたいだ。前に一度その事を本人に言ったら、「誰のせいだ! 」って怒られちゃってグーで殴られそうになったからもう言わない。
ってかクロウがお母さんなのは俺だけのせいじゃないよな。うん、ジャックも同罪だ。

「全く…。毎日起こしに来る俺の身にもなってくれよ」

クロウは俺が朝に起きれないと知った時から、起こしに来てくれるようになった。

「いつも感謝してるぜ」
「だったらもっと早く起きてくれ」

それは無理だ。誰にも起こされなかったら半日は寝てるぞ。
「まぁ、お前に言っても無理な話か」
多分明日も同じ事を言われるんだろうな。


「あ、クロウ。今日も大会に参加するのか?」
「あぁ。そのつもりだぜ」
「じゃ、俺も行くー」
「ならさっさと支度しろ」
「ほいほーい」




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