今日はシロウ君とタマキちゃんがB級ブレイザー、ゆうまに奪われた《テスタロッサ》を回収する任務に出ている。ヤイバもノラブレ討伐に一人で行っちゃったし、クロキも来ていない。今までもこんなことがあって、ジョナサンと二人きりが多かった。暇だなー。どうしよかなー。

「おぅ、カザリ」
「あ、ジョナサン」

トレーニングするのだって一人じゃつまんないからと思って廊下をウロウロしてたら、ジョナサンとばったり会った。

「ジョナサン、暇だよー」
「なら、面白い話があるぞ」

え!なになに!?と私が聞けば、ジョナサンはニヤッと笑う。

「V区に新しいブレイザーが入ったらしい。」

えっと、V区っていったら…

「ドSのメロンちゃんが居る所?」

「それは本人の前では言うなよ…」

あれ?私、変なこと言ったかな?まぁ、それはともかく新しいブレイザーかぁ。何だか面白そう!

「よし、V区に行くかな」

皆が率先して任務を受けちゃうから、私の分が無いんだよね。だからここは是非とも新しいブレイザーさんと友達にならなくては!

「じゃ、ちょっくらいってきまーす」

「ほいほい、さっさと行ってこい」

どんな子かな?楽しみだなぁ

*****

「メロンちゃんいるー?」

V区支部の支部長室。そこには支部長のメロンちゃんの他にもう一人いた。

「カザリ、支部長と呼べと言っているだろう。」

思いっきり睨まれちゃった。メロンちゃんって可愛いのになー。そんなことを思っていたら、もう一人の子と目が合った。

「もしかしてその子が新しいブレイザーさん?」

「あぁ、まだ原石だがな。」

つまり、磨けば光る…と。この子才能あるってことだね。

「私はカザリ。]T区フェンリル支部所属のブレイザーだよ。」

よろしくね、と言うとブレイザーさん(仮)はまだちょっと緊張しているようで、

「あ、私はミソラって言います」

と返した。……一応今まで触れてこなかったけど…

「なんでミソラちゃんは手錠かけられてるのかな?」

今ミソラちゃんの両手には手錠がかけられていて、身動きできない状態になっている。こんなことするのはただ一人。

「ミソラは私が保護しているんだ」
「支部長、これは保護じゃなくて監禁です」

やっぱりメロンちゃんだったか…。多分何を言っても外してはくれないんだろうなぁ。ごめん、ミソラちゃん。私じゃ君を助けることが出来ないんだ……!

「そういえばカザリは何でここに来たんだ?」

「V区に新しいブレイザーが入ったって聞いて来たの」

ミソラちゃんのことだったんだねー、と私が言えばメロンちゃんがそれは少し違うと言った。話によるとV区に入ったブレイザーはミソラちゃんの友達のダイチ君という子で、ミソラちゃんは素質を持っているから保護(監禁)しているらしい。

「へぇ、それでそのダイチ君は今どこに?」

「クロキと一緒にミスティッカー《テスタロッサ》の回収任務だ」

新人にいきなり任務とはメロンちゃんやっぱりドS。まぁ、クロキがいるなら大丈夫………って、《テスタロッサ》?

「あああああああああ!!!!!!」

「!?どうした?」

ちょっと待って!《テスタロッサ》って……!

「その任務、うちの支部の新人二人が向かってる…!」



シロウ君の事だから何だか面倒な事になってそう!!

「で、でもクロキさんがいるから大丈夫なんじゃ…?」

「甘いねミソラちゃん、クロキは肝心な時に失敗する男だよ」

今頃犬と戯れてるんじゃないかな?あいつ犬苦手だし、と付け加えればメロンちゃんはそれもそうだな…と真剣な顔つきになる。

「ダイチの事だから手柄の取り合いとかしてるかも……」

うん、シロウ君もしてそう。とりあえず連絡して事情を説明しないと!

「メロンちゃん、通信機は? 」

「そんな物持たせてない」


え、ちょ、
本当に大丈夫なのかこの支部は!!えと、とりあえず…

(タマキちゃん、全ては君にかかっているよ……!)

祈っておこう







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