ガンマ団短文集
●みんなそう思ってる/マジシン津。コタロー遠征中。
「こーらシンちゃん、もう夜なんだから津軽くんは帰してあげなきゃ」
息子と二人きりになりたい危ないオッサンが言う。
「あと5日もコタローが居ないなんて耐えれねぇんだからせめて!
せめて津軽くん一緒に居てくれるよね?眠くなったら こ、このまま寝てもいいから、な!」
と鼻血を流すショタコンがほざいた。
(嫌だなこの一族)
二人に挟まれた少年は心からそう思った。
●嘘を吹き込むも報われないパパ/マジ→幼少シン
「シンちゃん、シンちゃんはパパのことが好きかい?」
「うん、僕パパだーいすき!」
「そうかーパパもシンちゃんがだーい好きだからねー、大きくなったら結婚しようかー」
「できないよ?」
「ど、どうしてだいシンちゃん?」
「だってケッコンって女の人と男の人がするんだよ?」
「はっはっはシンちゃーん。パパが日本のお話ばっかりするから日本の変な風習を覚えちゃったんだねぇ賢いなぁシンタローは。いいかい、シンタローはパパが好きだね?そしてパパもシンちゃんを愛してる。これだけハッキリしてるなら結婚はできるんだよ」
「へぇーそうなんだ」
「だから大きくなったらパパと結婚しようね」
「じゃあ僕はビボーのおじ様とケッコンするね!」
「え゛」
●逃げられない/キンハレ
「叔父貴…いい加減団へ返金をしたらどうだ」
「返金だぁ?なんだそれ食えんのかよ」
ガーハッハッハと笑うハーレムをよそにキンタローは、分厚い辞書かなにかをパララララとめくりはじめた。
「ん?どした?」
ハーレムが問うと、
「返金(名詞)−借りていた金を返すこと(三省堂)」
「…(まさか)」
「以上。…もちろん食せない」
キンタローは真剣な顔つきでそう言った。無論、悪気はない。
「いや…あのさっきのは冗談の一つでな…」
そう言うとまたキンタローは、真面目くさった顔つきで話に聴き入ろうとする。気になることをとことん調べるところは、親に似たのだろうか。
しかし冗談を解説させられることほど酷いことはない、というほどにハーレムの胃は悲鳴をあげている。
ああ逃げたい。でも無垢な瞳がこの場から離れることを許してくれない。
(…だからコイツは苦手なんだよッ!!)
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