「 …井上、 好きだ。」




普段死神代行やってるときでさえ感じないほどの緊張を、なけなしの勇気で蹴り上げて…


やっと言葉にした気持ち。


伝えた瞬間に見開かれたキャラメル色は、顔が染まると同時にだんだん溢れ落ちそうになって、






「…う、嬉しい です。
  私も、黒崎くんが…」


綺麗な雫を落としはじめた…。





薄々気付いてはいた井上の気持ち。
言葉にされるとやっぱり嬉しくて、柄にもなく舞い上がってしまう。


ヘロヘロと座り込んだ井上を、足の間に閉じ込めるように俺も腰を下ろす。
そうして、しゃくりあげる華奢な背中に手を回した。


ぽん、ぽんと宥めるように背を叩く。
また泣かせちまったな━と、トロトロな思考で考えつつ、緩む口許。
あぁ、「泣いてるのもやっぱり可愛い」とか思う俺はどれだけこいつの事が好きなんだろう。



今まで何度も見た泣き顔は、自惚れじゃなく俺の為に泣いていて━。


実はその顔を見る度に、胸に痛みを感じてた。


でも、そんな泣き顔の後に見せてくれるお前の笑顔は何時も以上に可愛いくて、癒し効果も数倍。


胸の痛みは帳消し。


その代わり増える
「護りたい」って気持ち。


 ━━だから、




「なぁ、井上。」






笑って。






その笑顔は理性へのダメージも数倍。
きっと残りのライフは0。




▼かきょ様/jollyroger




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