井上は井上であって、他の誰のモンでもねぇし、誰かの所有物でもない。




そんなことはわかってんだけど、どっか理性とは全然かけ離れた別のとこで、俺はこいつを独占したくてたまんねぇ。


その身体も、瞳も、髪も、手も、足も、指も、頭も、皮膚も、細胞も、神経ですらも欲しくて欲しくてたまらない。
その全てが欲しい。その全てはどうしたら手に入るんだろう。


「井上織姫」という人間を構成し形成するもん全部、俺のものであればいいだなんて。


そんな強欲な自分に眩暈がする。


そんな願い叶いっこないことぐらいわかっているというのに。


ならば、
せめて、
その、




「君の笑顔は俺のもの」




だけであって欲しい、とそっと願うことぐらいはどうか許して欲しい。


(fin)




▼まりも様/love fighter




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