高校生活の初日、私は最悪な出会いをした。
『俺、年下にしか興味ないんだよね』
あぁ、思い出しただけで腹が立つ!
清水の『し』と、鈴木の『す』で、たまたま席が隣の彼は、顔に似合わずとても口が悪かった。
でも、元女子校ということもあり、数少ない男子で、しかも格好いい彼は初日からモテモテだった。
「清水君ってどこの中学生出身なのぉ〜?」
「何座!?誕生日いつ!?」
しかし、そんな彼女たちに見向きもせず、窓の外をじっと見つめたままだ。
(野球部見に行ってみよう…)
そう思い、席を立つと、隣からも『ガタッ』という音がした。
彼も女子をかきわけ、教室からでていこうとしていた。
背後から、女生徒の声が聞こえた。
「清水君、どんな子がタイプなの!?」
その後、清水君がなんと答えたのか、私は知らない。
彼とチームメイトになり、友達になったあと、そのことを私がどんなに後悔したか、彼は知らない。
でも今、相変わらず意地悪な彼は私の隣りにいる。
清水君、これって運命なのかな?
きっと、いろんな人を好きだと思うだろうけど、『特別な』好きって清水君だけかもしれない。
遠回りしても、やっぱり、最後には清水君に戻ってくる気がする。
これからも、ずっと…
『大好き、です』
『……俺も…です』
end
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