「んだとコルァ!?もういっぺんいってみろコノヤロー!」
「何度だっていってやらァこのクソチャイナァ!」
愛情表現
今日は日曜日。
真選組一番隊隊長である沖田総悟は、サボ…休憩するため、万事屋へ遊びにきていた。
(え?今変な言葉が聞こえたって?気のせいでさァ)
しかし、きて10分も経たないうちに神楽とのバトル勃発…。
家が戦場と化していくなか、銀時と新八は机の下に逃げ込んでいた。
「なぁ、新八。」
「何ですか、銀さん…」
銀時は飛んでくるものをよけながら、隣で割れた食器を見つめて青ざめている新八に声をかける。
「あいつらって、付き合ってんじゃなかったのか!?」
新八は銀時の言葉に『えぇ…多分。』と弱々しく頷いた。
それは一週間前のこと。
『銀ちゃん!駄眼鏡!私、沖田と付き合うことになったネ!』
『マジでか。』
『誰が駄眼鏡だぁぁぁあっ!
…って、えぇ!?ホントに!?』
『ホントアル』
神楽はちょっぴり頬をそめ、嬉しそうに言った。
(これで世界は平和になったな)
(そうですね、本当に良かった。)
銀時と新八はこっそりとそう言っていた。
はずだったのだが…
『あれは夢か?幻だったのか!?』
とヒステリック気味に叫ぶ銀時。
「夢でも幻でもないと思いますよ…多分。」
食べ物を避難させながら、新八はつぶやいた。
「オイ!お前らいい加減にしろ!ここを誰ん家だと思ってんだ!」
「家賃払ってませんけどね」
堪忍袋の緒が切れた銀時が怒鳴り、新八が突っ込んだ。
「やるなら外に行け!俺ん家がつぶれる!」
そういって、2人は外に放り出された。
結局2人は決着をつけるべく、いつもの公園へ向かう。
「お前のせいで銀ちゃんに怒られたネ!どうしてくれるアルか!?」
「あぁ?先にモノを投げたのはてめーだろィ!ちったぁ女らしくできねーんですかィ?」
「なにを〜!?お前こそ…」
口論をしながらも幸せそうな2人を、銀時と新八はこっそり見ていた。「なんなんだよ一体。」
『アイツら仲いーのだかかワリーんだかわかんねえよ。』と、頭をガシガシ掻きながら言う銀時に、新八は言った。
「きっとあれが彼らなりの愛情表現なんですよ。」
「…ふーん。」
万事屋の通りには、幸せそうな2人の声が響いていた。
END
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