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祭と浴衣と君の声


まる様へ捧げます!






「綾音ー」

ある暑い夏の日のこと、綾音は友達の由美に呼び止められた。

「由美ちゃん!なあに?」

「あのさ、来週夏祭りがあるでしょ?
男子も何人か誘って行こうって話してたんだけど、あんたも一緒にいく?」

「あ…。ごめんね由美ちゃん、お祭りは…」






祭と浴衣と君の声







「野球部といくの?」

少し驚いて、由美は問う。そして、にやっと笑った。

「あら。綾音、あんなに清水君嫌ってたのに、どういう風の吹き回し?」

途端に、綾音は顔を赤くした。

「それは…もう違うの!」

「へぇ〜。佐藤先輩一筋じゃなかったの?」

「…〜っ////由美ちゃん!」

綾音は林檎のように真っ赤だ。

「あはは、ごめんごめん。じゃ、お祭りでまた会おう。」

「…うん」








夏祭り十五分前

(気合い入れすぎたかなぁ?)

桜の柄が入った桃色の浴衣をきて、綾音は歩いていた。
髪は久々の三つ編み。

足取りも軽く、待ち合わせ場所にいく。


すると、前方に見慣れた2人の姿。

「あっ…




清水君、服部君!」

すると前方を歩いていた2人の足がとまり、くるりとこちらをむいた。

「あれっ!マネージャー、早いなぁ。」

「服部君達こそ。一緒に行ってもいい?」

「あぁ。」

綾音は大河を見たが、大河は何もいわなかった。

「マネージャー、浴衣似合ってるね。」

「ううん、全然…」

「そんなことないって、なぁ、大河?」

(えぇっ!?)

服部は急に大河に問い、面白そうに大河と綾音をみていた。
綾音は慌てて顔が赤くなった。
大河は一瞬言葉に詰まった。








「…馬子にも衣装ってやつ?」

「…な!し、清水君ったら!」

いつものように口げんかをはじめた2人に、服部は呆れて溜め息をついた。



集合場所には、すでにほとんどのメンバーが集まっていた。
吾郎と藤井を除いて。

「また遅刻かよ。」

薫と美保は珍しく息が合って、口々に文句を言っていた。

「一、二年生先に回ってきていいよ。あたし達は、本田と藤井待ってるからさ」

その言葉に素直に従い、一年生の三人でまわることにした。








「うわぁ!おいしそう!」

綾音はりんごあめや綿菓子など、キョロキョロ見ながらはしゃいだ。

「お前はしゃぎすぎ。子供じゃあるまいし。」

大河の言葉に、綾音は頬をプクッと膨らました。

「いいでしょ、はしゃいだって!」

「はいはい、迷子になるなよ。」

「もう、子供扱いしないでよ!」

また口論し始めた2人だが、途中であることに気づく。









「…あれ?そういえば」

「…服部君は…?」


そのとき、大河の携帯がなった。

「もしもし、服部?」

“あ、大河?悪いな。俺友達に会ったから、マネージャーと2人でまわってよ”

「はぁ!?お前何言って
“じゃあな”

「おい!」

そう言ったときにはもう遅く、電話は切られていた。


「…ったく…」

大河は携帯を睨みつけた。

「服部君…なんて?」

「『友達に会ったから、マネージャーと二人でまわってこい』って。」

「えぇっ!?」

綾音は赤面した。

(だって、ふ、二人でって…)

「…どうする?先輩達と合流する?」

「…えっと…清水君は、どっちがいいの?」

綾音はおそるおそる聞いた。

「…俺は…別に二人でもいいけど」

少してれくさそうに顔を背けながら、大河は言った。
綾音は嫌がられていないことを悟った。

「わ、私も…
二人で…いいよ。」

「…そ。じゃ、行こうか。」

「…!…うん!」



「どこに行く?清水君!」

「どこでもいいけど」

「じゃあ、たこ焼き食べようよ!」

『ほら!早く!』と手を引く綾音に
『また食い物かよ』と呆れながら大河はついて行った。

三十分後、2人の手には、たこ焼きやかき氷、焼きそばやフランクフルトなど、たくさんの食べ物であふれていた。

「いただきまぁす!」

ベンチに座るなり、上機嫌な綾音はたこ焼きを食べ始めた。

(その体のどこに入ってんだよ…)

と思いつつ、大河も焼きそばを食べ始める。

「おいしいね!」

「まあね」

2人で他愛もない話をして、ほとんど食べ終わり、いい雰囲気になってきたときだった。




「綾音ちゃん?」

「…!…」

「…さ、佐藤先輩!?」
その人物は、ニコニコとしながら、こちらに近づいてきた。

「せ、先輩…あ!あの、優勝、おめでとうございますっ!」

「ありがとう。」

その後、寿也は、大河をチラリとみて、

「二人できたの?」

と、聞いた。

「えっ!えーっと…
「はい。二人で。」

綾音が答える前に大河が答える。

「へぇ。そうなんだ。」

「先輩は…?」

綾音が問う。

「僕?僕は、友達と来たんだ。
…あ!呼んでる。もういかなきゃ。」

『またね。』
そういって、寿也は去って行った。

「…清水君?」

「何?」

「どうしてあんなこと言ったの!?」

「何が?」

真っ赤な顔で聞かれ、大河はキョトンと聞き返した。

「『二人できた』だなんて!」

「…え…
…なんか面倒くさかったし」

「…何が!?」

横で赤くなって騒いでいる綾音を無視して、大河は立ち上がった。

「行こうぜ。」

そういって、手を差し出した。
綾音はその手に戸惑いつつもそっと握った。

「うん!」







(野球ではかなわなくても、コイツだけは、)

暗闇の中、強く誓う大河だった。









「絶対、渡しませんよ、先輩。」





END

いかがでしたでしょうか?
(^_^;)

本当にお待たせしてしまったうえ、こんなに駄文で申し訳ないです。
最後とか、わけわかんないですね(T_T)

寿也に闘志むき出しの大河が書きたかったのですが…

見事に失敗しました。
。゜(>д<)゜。

すみません;

こんなものでよろしければ、どうぞお持ち帰りください!