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授業中のひととき


お昼休みの後の国語の時間。
この時間が、私は好き。

周りの席の女の子達は寝ちゃってるし、先生もそんなに厳しくないから、私達が何をしてても怒らない。

それから──私は隣をチラリとみた──彼を見つめていても、誰も気付かないから。





授業中のひと時






茶色の髪が風でなびく。
『なんで男の子なのにこんなにサラサラなの?』
と思わず妬いてしまう。

今は退屈な授業のせいで、半分閉じられている綺麗な蒼い目は、見つめられると吸い込まれそうになる。
そんな彼の目が不意に私のほうをみた。






…『私のほうをみた』!?


(え!?)

どんどん心拍数が上がっていく。

(な、なに!?)


「…、…ん

…鈴木さん!」

「は、はい!!」

慌てて声のしたほうに目を向けると、国語の先生が私をじっと見ていた。

「教科書を…」

「あ、はい…えっと…」

クラスメートの視線をうけ、真っ赤になりながら慌てて教科書をめくる。

『マネージャー』

(え…)

トントンと指でつついた先を見る。

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「…あ、『朝日を浴びて…』」















「し、清水くん!」

授業終了後、私は慌てて声をかける。

「さっきはありがとう…!」

『助かった!』と言うと、清水くんはニヤリと笑って囁いた。









『俺に見とれてないで、授業も聞いときなよ』




私は顔を赤くして、口をパクパクするだけだった。



END