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彼の優しさ


海斗さんより、60000ヒット記念

「くしゅん!」

綾音にとってこの季節は大変な季節だった。毎日学校を通る通学路、教室、そして自分の家…どこにいても綾音はある苦しみに悩んでいた。

「うぅ〜…。」

とは言っても、これは人間誰でもあり得ることであり、しかも一時的なことに過ぎないと言ったらそこまで…

「は…くしゅん!」

そう…綾音は花粉症だった。

「(花がムズムズする…ティッシュ…。)」

目がかゆく、鼻水は止まらず、おまけに鼻づまりと…アレルギーを持っている綾音にとってはまさに地獄のような毎日だった。

「ズズ〜。」

「………。」

「あ、おはよ清水くん…。」

そんな花粉症とは全く無縁のないのが、綾音の隣に座っている大河だった。

「何?マネージャーって花粉症?」

「そうなんだ…もう苦しくって…。」

「うつさないでよ?」

「こ、これはうつるもんじゃないってばぁ!…は、はっくしゅん!」

くしゃみも止まらず、綾音はティッシュで鼻をかむ…

「あ…。」

ここで綾音に思わぬアクシデントが起こる。

「ティッシュ…なくなっちゃった…。」

「………。」

綾音は持ってきていたポケットティッシュを切らしてしまった。

「どうしよう……。」

ティッシュを切らしてしまった綾音は非常に困っていた。まだ登校してきたばかり…今日はこの後みっちり授業&部活というハードスケジュールだ。

「(はぁ…最悪…)」

ため息をついた綾音……その時…

サッ

「?」

「これが欲しいんでしょ?」

そう言って大河は…真新しいポケットティッシュを差し出した。

「えっ……?」

「俺必要ないし、ほら。」

「ありがとう…///」

綾音はそっとポケットティッシュを受け取った。しかし……

「(…もったいないから、使わないでおこう…)」

綾音は大河に気づかれないようにポケットにティッシュをいれた。
放課後〜〜

「清水くん!」

「?」

「…これ。」

綾音はそっとポケットティッシュを大河に差し出した。

「何…使わなかったの?」

「うん…今日は少しマシだったから。」

「…俺のティッシュは使えないんだ。」

「ち、違うよ!本当に今日は花粉症ひどくなかっただけだよ〜///」

「ふぅーん…。」

そうは言った綾音だったが、彼女の中では…ティッシュよりも大切なものを受け取った。

「(清水くんの優しさを…///)」

もしかしたら、そのおかげだったのかも…そう思いながら綾音は一日を振り返ったのだった。


end♪


この季節ならではの素敵な小説を頂きました!
花粉症は辛いですよね…
栞も花粉症なんです…ズビッ。

好きな人からもらったものって、たいしたことないものでもすごく大切にしちゃうんですよね…w
大河から綾音ちゃんへの優しさにキュンキュンしました!

海斗さん、ありがとうございました!