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素直に


海斗さんから!

大綾と、海斗さんの書かれている小説に出てくる同級生、菜摘&太一です。


〜素直に〜

「………。」

「………。」

「ちょっと太一…!」

「は?」

「は?じゃないよっ!」

季節は1月…三学期を迎えた聖秀学院高校1ーA組の教室である4人の生徒…

「綾音と大河に漂っているあの微妙な空気は何なの!?」

「知るかよー。」

「もう!なんでそんなに素っ気ないの!?」

「素っ気なくはないって…。」

一ノ瀬菜摘と井上太一は小学校からの幼馴染。そんな菜摘は鈴木綾音と、太一は清水大河と親友でもある。

「もうすぐ綾音の誕生日でしょ!?」

「もうすぐって…俺鈴木の誕生日知らないし…。」

「そうなの?じゃあ覚えて、2月12日よ!」

「おいおい、まだ一週間もあるじゃん。」

「一週間しかないのよっ!あの二人にとっては!」

「はぁ…?」

つまり今日は2月5日…しかし太一は一向に乗る気ではない。

「だいたい、何で俺たちが大河たちのことに首突っ込まないと…。」

「太一から野球部での二人のやり取りを聞いているうちに感じたの!あの二人…絶対に合う…!!」

大河と太一は野球部に所属しており、綾音は野球部のマネージャーをしている。菜摘は運動が苦手のため入っていないが、太一たちから色々なことを聞かされていたためある程度のことは承知済み…

「太一だってそう思うでしょっ!?」

「さぁ…俺そういうのよくわかんねぇし。」

「もうっ太一!」

「あのさ。」

「「!?」」

そんな菜摘と太一のやり取りを見て大河がとっさに声をかけた。

「さっきから何騒いでんの?」

「え…あぁ!太一が大河に大事な話があるからって!」

「お…おい、何言ってんだよ菜摘…!!」

「じゃあ〜あたしは綾音とちょっとお話あるから!」

菜摘は強引?に太一を大河に押し付け、ササッと綾音の方に駆け寄っていった。

「あのバカ…。」

「んで?俺に話ってのは何なのかな太一くん?」

ジト目で太一を睨む大河…

「…変なこと聞くけどいいか?」

「何だよ、変なことって?」

「大河は…鈴木のことどう思ってる?」

「え…?」


予想外の質問に大河は呆然と立ち尽くす……
一方、綾音は……

「何菜摘…話って?」

「何じゃないよ!」

案の定、菜摘にきつく説教?されている。

「来週は綾音の誕生日でしょ?」
「え…あぁ、そうだった…。」
どうやら綾音は誕生日を忘れていたらしい。

「楽しみだなぁ…菜摘からまたプレゼントもらえると思うと。///」

「はぁ…そりゃあたしからも贈るけどねっ、もっとこう…期待しているやつがいるんじゃないの?」

「え……?///」

「例えば…あそこにいる”気になるやつ”とか。」

「な…何で清水くんなの!?///」

「何よ〜すっかり気になってるくせに。」

「も〜菜摘〜〜!///」

「顔赤いよ、綾音。」

「〜〜〜〜〜〜////」

からかう菜摘だったが、心のどこかでは…親友の綾音を応援したいという気持ちの表れだったのかもしれない…

「ほら、いつまでそんなに遠慮してるの!」

「わっ…!///」

ドンッ!

「いいから行けって大河!」

「お、おい…!」

ドンッ!

「「………///」」

大河と綾音は互いに背中を押され、頬を赤くしながらじっと見つめあった。

「し、清水くん…。」

「…誕生日…。」

「え…?///」

「来週…マネージャーの誕生日なんだって?」

「う…うん…。」

「…(太一、こっからどーすんだ…って、えぇ!?)」

大河がチラッと大河のほうを見つめると…

「(ダメ!大河で何とかしなさーい!)」

菜摘が太一の口を押さえ、二ヒヒと笑いながら指示をしていた。

「(くっそ…好き放題言いやがって…)」

「清水くん…?」

「…あ、あのさ…。」

「………///」

「(ほら〜もっと押して、押して!)」

「お前はキューピットか。」

「……な、何か渡そうか?」

「え…そ、そんな…いいよ!清水くんキャプテンになって忙しいだろうから!」

「…そ、それじゃあ俺の気が済まないんだよ。」

「?」

「…俺は、その…部活中にずっと、マネージャーから色んなことを…もらってるんだから。」

「………///」

「なぁ?色んなことって何?」

「「えっ!?」」

大河の言葉につい反応してしまい輪に入ってしまった太一…

「バカ!何であんたが食いつくのっ!」

「いでででで!!」

耳を引っ張って太一に怒る菜摘。

「さぁ!大河とどめよーっ!」

「……やーめた。」

「「え!?」」

「何か言いたくなくなった。誰かさんたちのせいで。」

「ちょ、ちょっと待ってよ大河!」

大河は呆れ顔で菜摘たちを見つめたあと、綾音の隣を横切って席に戻った。

「!?///」

「ん?どうしたの綾音?」

「〜〜〜〜〜////」

「え”っ!?なになに〜〜!?」

「やだ〜絶対あたしの口から言えないよ〜!///」

どうやら大河に何か小声でささやかれたらしく、綾音は顔を真っ赤にしている。

「大河、何言ったんだよ?」

「?」

「なぁ、俺にだけこっそり…!」

「……ったく。」

大河は太一の耳に近づき、小さくささやいた。

「……な〜〜〜〜に〜〜〜!?」

「ぜってー言うなよ。特にあの女には。」

「大河〜お前ってやつは〜〜!!」

太一も思わず頬を赤くしてしまっている。そんな太一をジト目で見つめた大河は、再び綾音を見て……薄ら笑みを浮かべた。

『マネージャーと一緒にいる時間があるだけで、俺は十分だから。』

さっき綾音にささやいた言葉を、思い浮かべながら……

end♪





素敵な小説をありがとうございました!
ほのぼのな四人に終始ニヤニヤしっぱなしですw
なかなか書けない誕生日話。でもこの小説で妄想補充完了です(笑)
大綾、そして菜摘と太一のこれからにも期待です!
本当にありがとうございました!