海斗さんより イラスト&小説交換企画
〜幸せのおみくじ〜
「よっ清水!」
「本田〜元気してた!?」
「当たり前だろ?なぁ達哉!」
「まぁ……。」
「……久しぶりだね、一ノ瀬くん♪」
「井上さんも元気そうじゃん。」
吾郎、達哉は海堂へ…薫、美咲は聖秀へそれぞれ進学。そんな彼らが迎える初めての正月…初詣に来ていた。
「いっくん、本田!おみくじでも引こうよ!」
「あぁ?おみくじ?」
「賛成♪引いてみようよ一ノ瀬くん♪」
「…付き合ってやろうよ、ゴローちゃん。」
「…チェッ、達哉が言うならしゃーねーな。」
まず4人が向かったのは薫の提案でおみくじを引くことになった。
「「おみくじくださーい!」」
薫から吾郎へ、美咲から達哉へそれぞれおみくじが手渡され……
「じゃあ…一斉に開けようよ!」
「うん!」
「「………。」」
あまり乗り気のない吾郎と達哉だったが、このおみくじを開くことによって……
「……ん!?」
「わっ、私中吉だよ♪」
さきに結果を口にしたのは美咲だった。
「私は……吉かぁ。」
続いて薫が……。
「ほら、一ノ瀬くんも見せて♪」
「本田も!」
「あ、うん…。」
「わーってるようっせーな!」
薫と美咲に進められ、吾郎と達哉もおみくじをゆっくりと開いた……
「………。」
「………ゲッ!!」
「何だよ本田〜?」
声を上げた吾郎に薫が覗くようにおみくじを見ると……
「本田『凶』だって!?おいおい…新年早々幸先悪いなお前。」
「う、うっせ〜!俺はこんな紙切れのことなんて信じねぇ!自分のことは自分で切り開いていくんだ!!」
そう言いながらおみくじを丸めた吾郎。
「アハハ…あ、一ノ瀬くんはどうたった?」
「………。」
「いっくん?」
「……フッ。」
達哉は薄ら笑みを浮かべ、ゆっくりとおみくじを3人に見せた。
「わぁ!いっくんは『大吉』だって!!」
「すご〜い!さすが一ノ瀬くん♪」
「うぅ……。」
「あれ〜おみくじなんか信じないんじゃなかったっけ本田くん〜?」
ジト目でからかう薫…そんな光景を見て達哉が口を開いた。
「俺もゴローちゃんと同じだから。」
「「え?」」
意外なことを口にした達哉。
「これはこれでご利益はあるかもしれないけど、所詮自分のことは自分で決めること。それだけのことさ。」
「へっ!だろ〜?達哉も俺と同じなんだぜ清水!」
「まぁ、ゴローちゃんと違って幸先は良いってことは事実だけど。」
「ぐっ…。」
「アハハ、一ノ瀬くんらしいね♪」
「うん♪ではでは……。」
薫は吾郎と達哉に近づき……
「今年もよろしくね本田、いっくん!」
「…へっ、おうよ!」
「一ノ瀬くん、あけましておめでとう♪」
「……あぁ、今年もよろしく。」
吾郎、薫、達哉、美咲の手に握られたおみくじはしっかりと木の枝に結ばれ……一年の始まりを、無事に過ごせるように……
『あばよ!』
後の……彼らの運命を大きく変えるになる一年になるとも知らず……
end♪
海斗さん、素敵な小説をありがとうございました!
野球やってる時は大人びている吾郎と達哉。でも、薫ちゃんや美咲ちゃんといる時にはこうして、学生らしくなるんですよね。むしろ吾郎は子供っぽい(笑)
そういうところが表現されているのがすごいなぁと思いました。
← →