mha dream | ナノ


▼ 鬼が内

昨日、黒霧さんが明日は朝から荼毘さんやトガちゃんたちを連れて行くところがあると言った時から嫌な予感はしていたんだ。
玄関は閉めていくので来客の心配もしなくて大丈夫?
違うよ、そうじゃないよ黒霧さん。本当の不安要素は……

内側にいるんだよ……。



「なぁ」
「嫌です」
「なんも言ってねぇだろ」
「言わなくても分かります」
「なんで」
「なんでってそりゃあ……」
一体誰が、両手を頭上で拘束され、ベッドに押し倒された状況で、この先この男が口にする内容を分からないというのか
「そろそろ抱かせろよ」
ほらみたことか
「……嫌です」
死柄木さんと付き合って3ヶ月、今まで一度もそういう雰囲気にならなかったわけではない。しかし、その度に何かと理由をつけて回避してきたのだ。……とはいえいずれ逃れられなくなるときも来るだろうと予想はしていた。それがまさか今日とは……

「お前の嫌だも聞き飽きた」
そう言った死柄木さんは唇を重ねてきて
「ん……っ、ふぁ……」
固く閉じていた唇を無理やりこじ開けて入ってくる舌に口内を侵され、思考が麻痺していく
「ゃぁ……しがらきさん……」
唇を離し、濡れた唇をひと舐めした死柄木さんは、私の耳元に顔を寄せ
「名前……」
こういうときばかり名前で呼んでくるんだから狡い
「もう、我慢しない」
そう呟くと、そのまま耳を甘噛みしだした
「ゃ……やめっ」
「止めない」
吐息混じりに囁かれる声にこのまま流されそうになる……が、
「ま、待ってください…!」
制すると、不満そうな顔を上げた死柄木さんと一緒に上体を起こす

(……恥ずかしいから今まで何も言わず誤魔化してきたけど……ここまでか…………)

「その、死柄木さんのことが嫌なわけじゃないんです、ただ…その……」
「……なんだよ」
「…………だ」
「だ?」
「ダイエット!!……してるので…………痩せるまでは……ちょっと……」
「……はあ?」
思いっきり不満な顔をする死柄木さん
「だって!死柄木さんが悪いんですよ!
死柄木さんが華奢だから!!私がデブに見えるから!!」
「別にそんなに太ってないだろ……ていうか華奢とか言うな……」
はぁ……とため息をつきながら頭を掻く死柄木さん
すると私の両脇を抱え上げ、膝の上に乗せた
「ちょ、何するんですか!重いでしょ!!」
「……確かにちょっと重いな」
「なんてこと言うんですか!!」
「暴れんな……このくらいいだろ別に。むしろ多少肉付いてた方が」
「へ?」
裾からお腹をかすめて侵入してくる手が、下着越しに胸に触れる
「触りがいがあっていい」
突然のことに固まっていると、再度押し倒される
「というわけだ」
「どういうわけ!?えっ、ちょ……まっ、たっ、助けて黒霧さぁぁぁぁぁん!!」



続く……?

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