臨也の一人語り
(アリスパロ要素含む)







俺、夢見たんだ。どんな夢か知りたい?えー、酷いな、本当は知りたいんでしょ?仕方ないなあ、可哀相だから教えてあげるよ。頭悪いシズちゃんにもわかるように詳しく話してあげるからちゃんと聞いててね?ちょっと、なんでそんな投げ遣りなの?俺が態々話してあげるって言ってるのにさ、まあ良いや

夢ではね、シズちゃんは兎の耳を生やしてて大きな時計を見ながら急がねえと、って言いながら走ってたんだよ。ちょっと、うるさいな、文句は話が終わってから言ってよ。でね、俺はシズちゃんだ、って思って追い掛けたの。そしたらさシズちゃん穴の中なんかに飛び込んでいっちゃうから慌てて追い掛けながら穴に飛び込んだらいきなり長い穴に落ちちゃって、暫く落ちてんじゃないかな凄く長い時間落ちてた気がするんだよね、んでその後床に激突して、痛かったな、あれ。いや夢だから本当に痛かったかよくわかんなかったんだけど。それから長い廊下を歩いて目の前にあった部屋に入るとそこにはいっぱい扉があったんだ。えっと、扉は凄く小さくて…そうそう、シズちゃんも小さかったんだよ!三等身の、あ、あの猫型ロボ…いたたたた、シズちゃん痛いよ、離して!もう冗談が通じないなあ…いや、でもね、本当に小さいぬいぐるみみたいなシズちゃんが穴の中に飛び込んで行ったんだよね。まあそんな事はどうでも良いんだけどさ、それでね、どうやって扉に入ろうかな、って思ってたら机の上の小瓶に飲み物が入ってて、え…嗚呼、まあ飲んだけど。だって小瓶に私を飲んで、なんて書かれてたんだよ?なにが起きるか気になって、そしたら衝動で飲んでた訳なんだよ。それでね、いきなり小さくなったんだ。ちょ、笑わないでよ!う、うるさいな、黙ってくれない?で、小さくなった後に俺はその小さな扉の中に入ったんだ。小さな扉の奥の世界は凄く綺麗で、その後俺は扉の中に入っていったと思うシズちゃんを探してたんだけど、そしたら九瑠璃と舞流に会っちゃって。ずーっと絡まれてたんだ、相変わらずアイツら本当ろくな話ししなくて、うざいから九瑠璃と舞流から逃げて歩いてたんだけど、次はいきなりしましまの猫耳と尻尾を生やした九十九屋に会って、え?シズちゃん九十九屋知らないんだっけ?あ、今凄く露骨に嫌な顔してる。九十九屋とはそんな変な関係じゃないから、ただの情報屋仲間だって。で、続き話すけど、その九十九屋がさシズちゃんの居場所なら知ってるっていうからさ、聞いたら教えないなんて言ってくるんだよ?

「時が来ればわかるさ、」

なんていうから、意地悪って言ってまたシズちゃんを探したの。けどね、シズちゃんは探しても探しても見付からなくて、疲れちゃったから適当な所に座ってたんだ。そしたら甘い香りがしたから甘い香りがする方に近づいたら、そこで長い帽子を被った正臣くんとシズちゃんと同じで兎耳を生やした帝人くんと鼠の耳を生やした杏里ちゃんが俺をのけ者にしてお茶会やってて、しかも椅子は沢山あるのに三人でやってたから仲間に入れてって言ったら、座る椅子は無いですよなんて正臣くんと帝人くんが言ったんだ。あるじゃん、って言って無理矢理椅子に座ってさ、…嫌な奴なんて言わないでくれない?だって本当に椅子が空いてたから普通に俺は座っただけ。椅子に座ったら正臣くんが紅茶はいりますか?って聞いてくるから勿論って返したら帝人くんが紅茶を入れてくれたんだ。それでその紅茶を飲もうとしたら正臣君が

「ナゾナゾです、カラスと机が似てるのは何故でしょうか?」

なんて言ったんだよ。カラスと机が似てるわけないじゃん、って思ったけど俺に問うぐらいなんだからきっと正臣くんは答えを知ってんだろうって思って何で、って返したらそれは俺にもわかりません、なんて言ってきたんだよね。思わず笑いそうになっちゃった。そしたら帝人くんが今日はパーティーだ、なんて言い出して、それにつられて正臣くんもそうそう今日はパーティーなんだ、とか言ってね、誰か誕生日なの?って聞いたら誰も誕生日じゃないなんて言いながらどんちゃん騒ぎ、杏里ちゃんに関してはずっと寝てたけど。何で誕生日でもないのにお祝いしてんの?って聞いたら帝人くんはさ笑顔で

「今日は何でもない日だから、お祝いなんですよ」

って言いながらまだ一口も飲んでないギリギリまで紅茶が入ってるカップに紅茶を注ぎだすから、机に紅茶が溢れちゃってね。何してんだろうこの子達は、って思ったんだけど、あ、まあ口には出してないよ?そりゃあね、だって可哀相じゃないか。ちょっと、俺の頭の方が可哀相だなんて言わないでくれる?でさ、正臣くん達がずっとイカれてるだのなんだのって騒いでるからつまらないなって思ってそこから出てってまたシズちゃんを探したんだ。でも探しても探してもシズちゃんはどこにも居なかったんだよ。九十九屋に聞いても、九瑠璃と舞流に聞いても、正臣くんや帝人くんに聞いても、シズちゃんの居場所ならいずれ分かる、って言うんだ。だけど、俺はずっと探したの。そしたら真っ赤で派手なドレスを着た波江が居てさ、女王様気取ってるみたいに周りに兵士みたいなの連れてるんだよ?それが面白くてさ、笑いそうになった所をその兵士に捕まっちゃって、俺の優秀な部下だから何もしないだろうとは思ったけど、それは俺の思い違いみたいでね、いきなり波江が俺の顔を見て指差してきたんだよ

「貴方、打ち首よ」

いきなりそんな事言われたから俺もびっくりしちゃった。何これ、これがまさか属に言う下剋上?とか思ったけどどうやら波江は俺がわからないみたいでね、あはは、そりゃあ夢の中だから現実とは違ってそう上手くいかないから。だって上手くいかないからこそ面白いんだろ、夢って。それから無理矢理連れていかれたんだ、何処にって何処だろうね。だってその何処かには行ってないから。行く途中にシズちゃんを見つけたから俺を捕まえてる奴らから逃げ出してシズちゃんを追ったんだ。だけど、やっぱり居なかった…ねえ、シズちゃんは何処に行ったんだろうね?違うよ、夢のシズちゃんだよ。…え?それから?それから、俺はシズちゃんを見付けだせないで夢から覚めたんだ。朝の日差しが眩しかったのを覚えてる。それから不安になってシズちゃんに電話を掛けたのにさ、

『なんで手前はそんなに俺を探してるんだよ』
「え、そんなの、シズちゃんが好きだからだよ」

てか話してる途中に喋り掛けないでって行ったじゃん。まだ話し終わってないの。それで、電話を掛けたんだ。一回目は出なかった、仕事かな?って思ったけどもう一回掛けたの、出るまで何回も何回も何回も何回も。結局シズちゃんは電話に出なかったよ。あ、そう言えば一つ怖い事があったんだ、ずっと俺がシズちゃんに電話掛けてる間俺の家で携帯のバイブが鳴り響いててさ、怖くて怖くて家を飛び出したら変な男の人に捕まって、今もまだ解放されてないんだ。ねえ、助けに来てよ、怖いよ

「だから、早く帰ってきて。もう探すの疲れたんだから、シズちゃん」





(何時も忙しい時計兎のシズちゃん)
(双子のクルマイににやにや笑う猫の九十九屋)
(イカれた帽子屋の正臣くんに三月兎の帝人くん)
(眠り鼠の杏里ちゃんに女王様は波江)
(俺は、好奇心旺盛のアリス)





2010.06.22

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