静九十
(※捏造来神時代、付き合っている設定)



真夏の太陽がぎらぎらと輝く空の下、俺と平和島は室内のクーラーを掛けた一室でテスト勉強をしていた。だが多少クーラーが寒いような気もしシャーペンを持つ手が進まない。ある一室というのは図書館の勉強用個室であり温度を上げ下げすることは不可能に限りなく近く無理な状況であった
俺の異変に気付いたのか簡単な問題に頭を悩ませていた平和島は此方へ顔を向けた

「大丈夫か?」
「え、あ、何がだ?」
「顔色悪いだろ、って言う意味だ」
「あ、うん、まあ、大丈夫だ」

やはり長年付き合ってきた仲の平和島には小さい変化もわかるらしく暫く俺の顔を見つめていた。気まずくなり目を逸らせば不意に肩が掴まれ多少ながら驚きが隠せず数回瞬きを繰り返し視線を平和島へ戻した刹那
何時の間にか平和島の顔は目の前へと近付いていた。反射的に双眸を閉ざせばゆっくりと薄く柔らかい平和島の唇が己の唇へ触れる。平和島にとっては慣れない様子である口付けを幾度も浅く繰り返していくうちに妙に熱が爪先から押し上げてくるの感じる
口付けは上手いといえる程ではなくまあ多少普通であるが、やはり恋人からの口付けは嬉しいものである。暫くし唇が離れると目の前の平和島の頬は僅かながら紅潮していた
可愛いなんて不覚にも思ってしまいくすりと一つ笑うと平和島はあからさまに不機嫌そうな様子で眉間に皺を寄せた。そんな表情の変化に次第と己の笑いも苦笑へと変わっていく

「何笑ってんだよ」
「べ、別に」
「別にじゃねえだろ」
「だって本当に何でもないから」


まるで君が薬のように
寒がりの処方箋



2010.07.24


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