静雄+子静(小2)



道端に落ちているものは拾うな、そう言われて育てられてきた。小さい頃はよく幽と捨てられていた猫や犬などを持ち帰って母親に怒られていた様な気がした、いや、確実に怒られていた
今にも脳裏に焼き付いて忘れられない程であった
だがそんな事を考えていたとある日、道端へ落ちている様にしてそいつは居た。何かに怯え、一人誰かを待つ訳でもなくそこに座っていた、ただ己を好いてくれる人を探す様にして
思わず何してんだ、なんて問い掛けながら手を差し伸ばせば此方を見上げた少年の顔に見覚えがある。その瞬間俺がこいつを守ってやらないと、俺がこいつを助けてやらないと、という衝動に駆られた。差し伸ばした手を少年が取るのにそう時間は掛からなかった

「…俺もお前と一緒で独りなんだ、だから、俺と一緒に来ないか…?」

警戒はしながらも小さく頷き差し伸ばした手の指を握る小さな手を加減をしながら触れる程度に握ると震えているのがわかった。俺に虐められるんじゃないかと思っているように窺えた
俺の自宅はごく一般的な家だ、強いて言うならボロアパートと有名なくらいであるが不便を感じたことはない。申し訳ない程度にテーブルとテレビや冷蔵庫などを置いていて、部屋の中は凄く質素だが生活に必要不可欠な品は揃っている
俺はそいつを連れて家の中へと入り込めば、慣れない風景のせいか戸惑いながらもそいつは靴を脱ぎ始めた。まだ覚束ない動作で靴を懸命に脱ぐそいつの頭を撫で、漸く気付いた。此方を見上げるそいつの顔には恐怖しか浮かんでいなかった事に

見た瞬間助けてやりたいと連れてきた俺が悪いのか
道端に蹲っていた姿はまるで




2010.06.27

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