来神組+九十九屋
(捏造来神時代)



びしょ濡れになった靴、ぼろぼろに壊れた傘、30分掛けて丁寧にセットしたのに崩れた髪型、汚れてしまったお気に入りの洋服
最初は晴れと聞かされていた天気予報、事の発単は岸谷の一言だった。夏休みに入る前に皆で出掛け様なんて言いだしたからだ、かと言って悪いのは岸谷だけではない、反対をしなかった俺達にも非はある訳であって、それに天気予報は雨の振る心配の晴天です、だなんて言っていた
後ろで短く結んだ襟足、暑さを凌ぐ為に縛った前髪、ワックスで綺麗にした髪型、お気に入りのお出掛け用の靴、何時間も掛けて前日に選んだ洋服、一応と持っていった折り畳み傘

「雨、止まないね」
「晴れって嘘ついた奴殺す」
「落ち着きなよ静雄」
「服も下着も濡れちまったな、どうすっか」
「どう、しような」

近場の雨宿りの出来そうな場所でただ立ち尽くすが一向に雨の止む気配はなく濡れた服や靴が気持ち悪くテンションは一気に下がった
これからどうやって着替えを入手しようか、や何時雨が止むのだろうかなどと言う考えは今現在の状態であると頭には浮かばないものである
脱力感に見舞われながら深い溜息を零すと一気に体の力が抜ける気がした門田へ体を寄り掛からせた

「門田、暑い」
「あ、ずるい、俺もー」
「門田が迷惑そうだよ、九十九屋に臨也」

人というのは危機的状況に置かれてもここまで呑気でいられるものなのだろうか、それは今が危機的状況ではないという事だと表していた
雨が降っているのはきっと梅雨だからと言い聞かせながらただ今日の雨が上がるのを俺達は何時間も待った

次遊ぶ時は晴れだったら良いな






2010.06.25

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