お姫様と王子様
―― ねぇ、あたしの声 君の元まで届いてる?
君と出会ったその時から
ずっとずっと……
『ラビ!コムイ室長が呼んでるよー』
「おう、今行くさぁ」
しばらく待っていると、ラビが部屋から浴衣姿で出てきた。
「待たせたさ!」
『何で浴衣なんて着てんの? まさか……私服?!』
あたしが尋ねると、ラビは笑ってあたしの言葉をかわした。
しつこく問い詰めるとラビは、コムイのトコまで行けば分かるさ、とだけ教えてくれた。
*
―― コンコン
ノックをしてコムイ室長のいる部屋、室長室へ入る。
『コムイ室長ー、ラビ連れてきましたよ』
「………」
『室長?』
「………」
部屋ではコムイ室長の規則正しい寝息が響いている。
「コムイったら、また寝てるさぁ。」
『室長、起きないと室長がリナリーの****を****してるのバラしますよ』
「ど、どこでその情報を?!」
『さーね。ところでコムイ室長、何の用?』
コムイ室長の台詞を軽く無視しつつ室長に問い掛ける。
「あー、日本でねお祭りがあるらしいんだよね。それでノアとか伯爵がいるらしいから、偵察に行ってきてほしいんだ。」
ノアと伯爵って…敵の勢力大集合じゃんか。
『その任務って2人で行くんですか?』
「俺と2人じゃ不満?!」
『だってマジでノアとか伯爵いたとき困るじゃん?』
「いや、今回は様子見だから大丈夫。もう祭楽しんじゃってもいいくらいなんだよ」
そんな任務でいいのか…。
疑問に思ったが、せっかくの楽でビックな任務。
逃してはならない気がして、この思いは胸に閉じ込めておくことにしよう。
『祭の任務だからラビが浴衣だったんだ…!』
そう呟くと、コムイさんがある提案をしてきた。
「あ、そうだ。なまえちゃんも浴衣着る?」
『え、いいんですか?!』
「勿論!隣の部屋にリナリーがいるはずだから、リナリーに着せてもらって」
コムイ室長のその言葉に甘えて、あたしは浴衣を着せてもらう事にした。
*
リナリーに浴衣を着せてもらって、室長室に戻ると何故かラビとコムイさんは赤面していた。
『2人共…どうしたの……?』
「いや、なんでもないさ!!!!!早く任務行くさ!」
なんだかよく分からないけど、ラビに手を引かれ、ノアのいるお祭りに向かう…
というか動きにくいなあ…
めんどい、行きたくない
(ラビー、動きにくい)
(俺がお姫様抱っこしてやるさ〜)
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