▼ダニ、だな

「クリスマス、か…」

 12月となり、池袋の街はクリスマス一色に染められていた。
 俺には無縁のイベント…だったはずだったんだけどな。


「まさかなまえが誘ってくれるとは、な」

 俺は今年のクリスマスなまえと2人でクリスマスを過ごすことになっている。
 俺の家でパーティーをしよう、ということになっている。なまえが、来るのが待ち遠しくて堪らない。


『静雄ー、お待たせ!』

 待たせちゃってごめんね、寒くなかった?と、なまえは俺の心配をしてくれる。
 俺がさっき来たばっかだから、と微笑むとなまえはよかったあと安心したように笑った。
 今日は、イルミネーションを見る予定になっている。お金をかけずにクリスマスを楽しもうという魂胆だ。

 俺は、なまえと一緒に過ごせるだけで満足だから今日は幸せな一日だ。なまえもそうだと嬉しいな、とか思ったり…

『しず、お?』

『ぼーっとしてるけど大丈夫?』

「あ。ああ、すまねぇ。じゃあ行くか」


 俺が何気なくなまえの手を握ると、なまえも俺の手を握り返してくれた。
 こういう所からなまえの愛を感じる。





 しばらく歩くと、ツリーが見えてきた。
 このツリーを一言で表すと「でけー」だ。というか、でかいのレベルを越えていると思う。


『静雄っ、見て!ツリーおっきいよ!』

 なまえはなぜか、静雄何人分くらいかな?と俺と比較しながらツリーを見ている。


「まあ、俺のなまえを想う気持ちと比べたら、こんなツリーダニみたいなもんだけどな」




ツリー<気持ち
(な、静雄っ。恥ずかしい台詞を//)
(事実だ、諦めろ)



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