05 ガキ大将の妹的な



「大ちゃん!また授業サボったでしょ!」
「うっせーよ、さつき」
「もー、テストの前に泣きついたって知らないんだからね!」
わーわー言い合う二人を見ながら、火神はぐったりと体育館の壁に凭れかかった。
「…なぁ、クロえもん」
「はい」
ぽろりと、やりきれない思いが零れ落ちる。
「俺、ヒロインならあっちが良かった」
「桃井さんですか」
火神と同じ方向を見遣って、黒子は爆弾を投下した。
「僕がいた未来では、火神くんは桃井さんと結ばれます」
「…!ま、マジで…!?」
巨乳美人との明るい未来に、萎れかかっていた火神の活力は一気に回復する。
「でも」
黒子は火神へと、視線を移した。
「なぜ僕が君と黄瀬くんをくっつけようとしているか、分かりますか」
もったいぶった言い方に、火神は固唾を飲む。
黒子は真摯に、言った。
「その方が面白いからです」
「ふざけんな!」


2013/9/25

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