「よう、火神。空き地でバスケしよーぜ」
好戦的な笑みで誘う青峰に、火神は一も二もなく頷いた。
「今日はぜってー負けねぇ」
「でも負けたんですね」
黒子の一言は、部屋の隅で体育座りしていた哀れな負け犬に、容赦なく突き刺さった。
「自信満々で受けてたっておきながら、負けたんですね」
涙が出そうだ。
火神だって好きで負けた訳ではない。出来ることならもっと強くなりたかった。誰にも負けないくらい。俺に勝てるのは俺だけだとか言えるくらい。
「…俺も、青峰みたいになりたい」
強い意志を込めた視線を受けて、黒子は静かに頷いた。
「君に、そこまでの覚悟があるというのなら」
三次元ポケットを漁った黒子は、タランタッタラ〜、という効果音付きで秘密道具を取り出した。
「日焼けマシーン」
「そこじゃねぇよ!」
2013/8/3
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