「…は?」
開いた口が塞がらない。本当に青峰の言葉は、理解に苦しむ。
「なに、言ってんだ…」
「こんな黄瀬を前にして我慢とかあり得ねぇし、お前は他人ん家で勝手に盛られるのが嫌。なら、お前も混ざれば良いだろ」
懇切丁寧に説明されても、理解できないことに変わりは無い。それはまた、黄瀬も同じようだった。
「なんか色々間違ってる気がするっス…」
小さな抵抗は、暴君の前では無に帰す。抱き起こされた黄瀬は、髪に差し込んだ手に固定され、なにも出来ないままに唇を奪われた。
「ん…ぅ…」
先ほどまでのような、軽いものではない。深く絡み合うようなキスに、黄瀬はくぐもった声を漏らす。
息吐く間も与えぬほど一方的なキスをしながら、青峰の両手は服の上から黄瀬の胸を揉みしだく。手の動きに合わせて形を変える柔らかそうな膨らみに、確かに黄瀬は女の体をなのだと実感する。
「ぅ、ん…っん!」
胸の中心で探る動きをしていた親指は、取っ掛かりを見付けるなりそこを集中して攻めたてる。指先で挟み、撫でる度に黄瀬はびくびくと体を跳ねさせた。
「ん、ぁ…あ…っ」
散々に貪って青峰が口を解放した頃には、黄瀬の表情は蕩けきっていた。
青峰は黄瀬の首筋に顔を埋め、上から一つずつボタンを外す。少しずつ黄瀬の肌が、その膨らみが、火神の目に晒される。
「…黄瀬」
呼び掛けに、黄瀬はぼんやりと青峰を見た。
「火神に、見られてんぞ」
青峰が笑いを滲ませて告げれば、ようやく思い出したように黄瀬がこちらを向く。
「っや…!」
逃げる黄瀬の体を片腕で抱き、青峰はシャツの袷から差し入れた手を胸にやった。
「ん…や、あ…っ」
今度は直に胸を揉む。肌蹴られたシャツは肩から落ちて、立ち上がった薄桃色の乳首が火神の目を刺した。知らず、ごくりと喉が鳴る。
「あっ、や…だ、見ないで…ぇ…!」
黄瀬は嫌がる言葉を吐いているのに、止めようという意思が湧いてこない。視線は、柔肌から逸らすことも出来なかった。
「っあ…!」
内腿に足を差し入れて、青峰は黄瀬の足を大きく開かせる。最奥までを晒されて、黄瀬は堪えきれず青峰の体に顔を埋めた。
「お前のやらしいとこ、全部見てもらえよ」
青峰は愛液で濡れたそこを指で開き、見せつけるようにゆっくりと指を差し入れた。
「っん…」
第二関節まで侵入した中指を、わざと音を鳴らして抜き差しする。指を増やして、浅く中をかき回す。
「あ、あっ…ん…」
焦らす動きに黄瀬が顔を上げれば、唇が重なる。深く舌を絡め合いながら、青峰の指は絶えず中を犯す。
指の間から糸が垂れるくらい黄瀬の体を蕩けさせて、青峰は不意に指を引き抜いた。
「あ…」
物欲しそうにひくつくそこを撫でながら、青峰は黄瀬に問いかける。
「入れて欲しいか?」
つぷ、と指先が埋もれれば、過敏になった体はびくりと震える。
「っ欲し、い…」
もう羞恥もなにも無い。欲求のままに黄瀬がねだれば、青峰ま満足げに笑って、告げた。
「じゃあ、火神のを咥えろ」
急に矛先を向けられ、火神は肩を跳ねさせる。
「できるだろ?」
どこか挑発的な青峰の視線と、自我の消えた黄瀬の視線が火神に向けられる。
ここまで傍観してきた火神に、イエスもノーも、言う権利などなかった。


2013/12/11

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