02 柔軟
怪我を予防するためにも、運動前の柔軟体操はとても大切だ。
今日も念入りに体を伸ばすバスケ部員たちの中で、うめき声をあげている子が一人いた。
「う、うー…」
「黄瀬くん、大丈夫ですか?」
「だめっス…」
どうやら前屈が苦手らしい黄瀬は、開いた足の間になんとか上体を倒そうと、指先をぷるぷるさせている。
「手伝いましょうか。ゆっくり押しますよ」
「…お願いします…」
黄瀬の後ろに回った黒子は、優しく慎重に背中を押した。しかしそんなものでは黄瀬の体はびくともしない。
これはなかなか手強そうだ。
更に力を込めようとしたとき、キャプテンが黒子を呼ぶ声がした。
「すみません、ちょっと行ってきます」
「ハイ」
黒子が去ると背中の圧力も消える。独力では、どうしたってこれ以上前には進まない。
「お前、体かてーな」
近付いてきた青峰は、苦戦する黄瀬を見て笑う。
「おら、手伝ってやるよ」
「ありがと…ぅあ!」
黒子と同じように背後に回った青峰は、黒子とは違って背中ではなく胸に手をやった。それも、服の下から。
「ちょっ…青峰っち…?」
「なんだよ。力を抜けるよう手伝ってやってるだけだろ?」
言いながらも青峰は黄瀬の腹を撫で、更には胸に触れる。
「ん…っ」
「力抜いて、息吐け」
やわやわと乳首を弄られたまま、それでも黄瀬は指示に従う。
「は…っ…、ん…」
苦し気に顔を歪めて、黄瀬は時折堪えきれない声を漏らす。
青峰の辞書に『自制』の文字は無かった。
「やぁっ…だめ…ぇ!」
立ち上がった突起を指で挟んで、黄瀬の背に体重をかける。痛みに潤んだ目で、切れ切れに黄瀬が鳴く。
青峰は、たまらずに―――
「オイコラ」
ベシ。小気味良い音を立てて青峰の軽い頭が沈んだ。
「って!…なにすんだよ、テツ!」
「君がなにしてんですか」
「見りゃ分かんだろ。柔軟手伝ってやってんだよ」
「服から手を抜いてから言ってください」
言い争う二人を他所に、黄瀬は達成感で輝く笑顔で黒子を見上げる。
「見て黒子っち!青峰っちのおかげでここまで体が倒れるようになったっス…!」
誉めて誉めて、と尻尾を振る黄瀬の頭を撫でて、青峰はふっと微笑んだ。
「黄瀬の体が柔らかくなるのと引き換えに俺のもんが硬くな…」
「青峰ええぇ!!」

2013/8/22

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