2016年10月8日に、Text-Revolutions4(in都立産業貿易センター台東館)が行われました。今回は展示企画としても参加したので、自分の覚書&のちに展示企画をやる人の役に立ったらいいなぁ、という意味を込めてレポートを書きます。
(※長文上等!)


きっかけ


事の起こりは、今から約半年前。
元々、劇作家志望の物書きは、「次のイベントで戯曲を頒布しよう!」と決意。
これは、その前に文学フリマで台本を頒布しているサークルを発見し、立ち寄ったら

「えぇぇぇー!?」

と、叫ぶのを堪えるのが大変だったから。

一般的に、台本=映像シナリオの図式のカルチャーショックもあったんですが、何より「実際に上演したんですー」と言われて見せてもらった台本が



横書き



だったため。(マジです)

この時、思いました。


そうか、そうだよな……戯曲の本はあっても、上演台本なんて見たことないもんな……僕だって、最初はどう書くのか分からなかったから、変な台本書いてたよ……。


で、戯曲を書くことを決意。
数年ぶり(十年越え)なこともあって、一から作るのは多分間に合わないだろう&コレ戯曲にしたかったんだよなぁ、ということもあって、ボソッと宇野寧湖さん(ヤミークラブ)に打診。快く、「良いですよっ!」と承諾して頂き、とりあえず上演台本を出す、というところまでは決まりました。


テキレボ演劇部騒動


知っている人は知っていると思いますが、藤木一帆さん(猫文社)のポロッと漏らした「朗読劇」発言を特に気にせず拾った自分。(お仲間認識があった)
そして、ちょこっとだけ煽ってみたら、れぼんちゃんに捕捉され、そのまま炎上
まさか、こんなに演劇人が隠れているなんて、思いも寄らなくて、楽しかったけれど、青ざめた。

マ、マズイ……収拾つかなくなってる……。(当時の心境)

出ます、手伝います、(楽器)弾きますのどこの劇団だよ、というぐらい芸達者な人が多くて、そこで生まれたのが、


テキレボ演劇部

でした。

傍で見ていた絵描き
「ああ、そういやそういう流れは昔もあったよー。イベント会場で演劇やるってやつ」


で、でもね。
あくまでも同人誌即売会なわけで。
朗読劇ならまだしも、本当に舞台を上演したら、それはもう違うだろう、と。
また、実際に舞台裏方経験者として、「物理的に不可能だ」とも。
(会場の広さ、金銭、なにより稽古等々の縛り時間がなさすぎる)

そして、水面下で運営さん、藤木さん、僕とでゴソゴソと話し合って、下した決断が

「演劇ふぇあ」

でした。
次に、本当に朗読劇をやるのであれば前情報、または演劇に興味を持ってもらう、という掘り起こしを兼ねて、企画を立ち上げました。


ところで、展示企画って?


ここからは、準備、当日を振り返ってレポート。

第3回の時に展示企画で「特殊装丁カーニバル」を観ていたので、「いやぁ、あそこまでは出来ないなぁ」と思っていたのもあって、申し込みは自分用で1ブース、企画用で1ブース、合計2ブースにしました。
まさか、これが自分の首を絞める結果になるとは、思いもしませんでした。

結構前々から、運営さんの方で「必要な機材があったら言って下さい!」と会場備品リストも頂いたのですが、都産貿の机はデカいし、何とかなるだろうと思って特に何も申請せず。構想はあるものの、気持ちは台本作成に向かっていたので、正直、なんとかなるさ、と高をくくてました。

結論。





「なんとかならねーよっっ!!」





一般ブースでは広すぎると言われる、90cm×90cmテーブル。
展示企画としては、狭すぎだ。

これに気が付いたのが、本番まで残り1ヵ月でした。

さあ、困った。平置きでは、置ききれない。何より解説が付けられない。
というわけで、「平面が決まっているのなら、上空を使うしかない」と思うは当然なのですが。




んで?

お前はどうやって上空を使うつもりなんだい?




会場備品のパネルは、すでに貸し出す余裕なし。
というか、サークル配置、通常の参加サークルとサークルに挟まれて端じゃないため、幅90p越えの物を置くわけにはいかない。

じゃあ、模造紙が貼れるようなやつ……そうだ、ステンダーだ!と思うのですが、そこは普通の公共会館。そんなものがあるわけがない。
(※ステンダー……服屋にハンガーがいっぱい掛けられている衣装掛け。劇場ではステンダーと呼んでいて、衣裳が多いので備品としておいてある)

悩みました。いっそ、市販の衣装掛け買うか?いや、組み立てる時間を考えると現実的じゃない。

そこで、辿り着いた先が、パネル



だが、どうやって立てる?

あいつ、足ないから自立しないぞ。



となると、ネットを彷徨うしかない。彷徨って彷徨って、ワイヤーネットを自立させる足が売っていることを知り、100円ショップに行ってみた。








「ねぇよっ(血涙)!」

(※あと2週間ちょいで本番)






だめだ、もう間に合わん……と店で打ちひしがれていると、明らかに工務店っぽいおっさんが、FRPっぽいものを持っているのに気が付く。あと、工具と金具。
(※FRP……繊維強化プラスチック。木材よりも軽くて丈夫で、一枚板のようなもの。舞台でよく使用される)


それ、どこにあるの?


と、おっちゃんを目で追うと(不審者)、印刷物を貼ればパネルになるA3の発泡スチロール板を発見。後ろを振り返れば、L字金具。





これだ!!





サークル参加者さんならお馴染みのキッチン用ラック(折り畳み式)とパネル用板とL字金具を購入。

どう使うのかというと、ラックの上部にL字金具の下をインシロップ(結束バンド?)で固定し、上に伸びている方をパネルの支えてにしてガムテープで止める。

ようやく、自立するパネルのめどが立ち、あとは説明ポップを作って、90p×90pにいかにして収めるかだけ。

結果が、コレ。



ギチギチ……(汗)。

ポップ自体は博物館仕様だが、果たしてどうなの?と思いつつも、当日。


気になる人は気になって、足を止める。でも、展示物には触れない。
無料配布に気づく又はお目当ての人は、スッと取っていく。

結果。



気にはなるが長時間は居られない(居にくい)。




総括


第3回の「特殊装丁カーニバル」の様に、説明抜きのショーウィンドウ形式なら、今回の様に2ブースを取って横に並べるのはありだと思う。でも、角配置にしてもらった方が、自分にとっても他のサークルにとっても客にとっても安心できるだろう。

間に挟まっていると、どうしても立ち止まりにくいんですよ、お客さん。自分がその立場なら、やっぱりそう思うし。

そして、博物館形式(例えば今回の様に作成過程を見せるような展示)なら、展示スペースは自分のブースと切り離すことをお勧めします。どれだけ飾り込むかにもよりますが、とりあえず言えるとしたら。





90×90サイズの展示だけは、

ヤメテオケ(真顔)






今更ながら思うのは、運営さんが用意してくれたサークルポスターが貼れる衝立にパネルか説明ポスターを張り、その下に通常の幅45pの長テーブルを置き、一方通行で眺められるようにすれば良かったなぁ、と。
そうすれば、博物館の様に歩きながら見ていけるし、気になれば展示物も触れるし。目の前に人がいると、やっぱり見づらいんじゃないかな、と。

今回、正直に言うと、止めときゃ良かった、と何度思ったことか。
でも、終わってみれば「大成功!」とは言えないけれど、小説ばかりの文芸に「舞台用台本」というものを一石投じることはできたのではないかな、と。
実際、打ち上げでも配ったのはありますが、戯曲作成アシスタントは代行分刷っていなかったら、足りないところでした(もっとすれば良かったと後悔した)。

「戯曲」というものに興味はある。
だけど、どう作っていいのか分からない。どういうものなのかも、分からない。

それが、わずかでも知ってもらうことが出来た、という点では、一応「成功」だったのかな、と思います。


取り留めのないレポートになってしまいましたが、レポートは以上です。

最後に。
準備中、開場中、打ち上げと「大丈夫?大丈夫?」と気にかけて下さった小泉さん。ご心配ばかりかけてしまってすいません。
最後の方で燃え尽きかけていた時、「大丈夫?何かあれば手伝いますよ!」と声をかけ、素晴らしい企画ポスターを作って下さった藤木さん。

この場を借りて、謝罪と感謝を言わせて下さい。

「本当に救われました。報われました。ありがとうございました!!」





「演劇ふぇあ」企画主催


ヒビキケイ(シュガーリィ珈琲)
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