SHORT NOVEL

お馬鹿ちゃん的指導(鏑木) (2/21)

「馬鹿だね、ほんとに;」
「え!俺がっすか?どこが?なんで?」
「理由がわからないって事がお馬鹿なの!」


定期テスト前に図書館に勉強しに来てなんで私が鏑木の相手を;?


「鏑木、あんたは何しに来てるのよここに」
「え?苗字先輩と勉強デートすよね?」
「・・・なわけないでしょ;」
「先輩が俺に勉強教えてあげるって言ってくれたんすよね?」
「そんな事言ってない;手嶋と青八木が一緒に勉強しようっていうから来ただけだし」
「で、その先輩達は?」
「急に用事あるとか言って「鏑木の事よろしく」って帰りやがった;」


私もあんまし勉強得意ってわけじゃないのに何故私に振る?


「あ!それでか!」
「なに?」
「俺この間今度のテスト、マジヤバイかもって先輩達に話したから」
「それで何で私が鏑木に勉強を教える事になるのよ」
「それは先輩達が気ぃ回してくれたんすよ」
「はぁ?」
「先輩達帰っちゃったんだしどうでもいいじゃないっすか。先輩先輩、ここ教えてくださいよ」
「え〜私にわかるかなぁ?;」


明日手嶋達に会ったらとことん文句言ってやる!
ランチも奢らせてやる、デザートのプリン付きで!


「このx+y=3を変形させて・・」
「うーん;」


鏑木が難しい顔をしながら自分で解くのをじっと見守る。


「おお!出来た!!篠原先輩解けました!」
「偉い偉い!鏑木すごいじゃん」
「先輩のおかげっす」
「とか言って、やればなんでも出来るくせに。勉強教えて欲しいとかわざと言ってるんじゃないの?」


冗談でそう言ったつもりだった。


「ハハ、バレちゃいました?」
「は?」
「こうでもしないと部活以外で先輩となかなか会えないし」


鏑木は大口を開けて嬉しそうに私に笑い掛けてくる。


「馬鹿だね、ほんとに;」
「え!俺がっすか?どこが?なんで?」
「理由がわからないって事がお馬鹿なの!」


え?え?なんて首を傾げてる鏑木に思わず吹き出してしまった。


「明日」
「え?」
「明日のランチ、手嶋達に奢ってもらうつもりだったけど、デザートのプリンはあんたに奢ってもらうわ、いいよね?勉強教えてあげたんだから」
「Σえ?それって明日一緒にランチしていいって事っすよね?!マジっすか!やったー!!!」
「段竹や定時も誘っといで。たまにはみんなで食べよ」
「段竹達もっすかぁ?;」
「嫌ならこの話は無しって事で」
「いやいや!連れて行きます、絶対!」



『って事になったから、支払いの方頼むね手嶋♪』
『・・おい;』
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