SHORT NOVEL

超絶年下彼氏1(鏑木) (18/21)

「Σえ!」
「Σあ!えっと・・;」


ヤバイ;
今日の約束の先約者に偶然会っちゃうなんて超最悪!


「苗字先輩、なんでこんなとこいるんすか!」
「いるんすかって言われてもね、用事あるからに決まってる」
「用事ってなんなんすか!俺とのデートより大事な用なんですか!?」


あ〜〜出た、今にも泣きそうな俺様顔。


「約束取りやめたのは悪かったけど、急用が出来ちゃったんだから仕方ないでしょ」
「俺のデートより急用ってなんなんすか!」


さっきも聞いたよ、それ;

もうなんでこんな所で会っちゃうのかなぁ;
ていうか、私との約束無くなったんだから家にいなさいよ、自主練してなさいよ!


「約束ドタキャンしてほんとゴメン;次はちゃんと、ね」
「次いつデート出来るかわかんないのに」
「じゃあ部活帰りとかさ」
「先輩バスじゃないっすか」
「・・・」
「昼休み!明日の昼休みデートしてくださいよ」
「だ、駄目!!!学校は駄目!」
「もういいでしょ!俺達こいびと同士っすよね?もうバレてもいいじゃないっすか!」
「やだ!だめ!絶対駄目!」


同じ部活の後輩の鏑木一差に突然告白されて、断ろうとした瞬間にその場で地団駄踏まれてベソ掻きだしたから慌てて宥めて、流れのままに受理してしまったのが交際の始まり。

私は3年、鏑木は1年。
2歳も年の差があって、年下の彼氏となるとあまり周りに知られたくない。

こんな付き合い一時の感情かもしれないし、思春期ならではの好奇心かもしれない。
なるべく人目に付かず、別れた時の心の傷も小さくと軽い付き合いをするつもりだった。

だったはずなのに、今じゃこの馬鹿可愛らしさにまんまと堕ちてしまった私。


数週間も前からこの日の部活休みに"デートしましょう!"と私に申請し続けてきた鏑木。

私だって楽しみにしてた、久々の鏑木とのデート。

服だって色々と悩んで、鏑木に合わせようといつもよりカジュアルにしたり、ヒールの高い靴にしようかぺたんこのパンプスにしようか何日も前から試行錯誤してた、鏑木の為に。

それが休みまであと数日って時に偶然耳にしてしまった鏑木と段竹との会話。


「段竹段竹、来週俺の誕生日だ」
「来週だっけ、忘れてねぇよ」
「苗字先輩プレゼント何くれるかな?」
「苗字先輩お前の誕生日知ってんの?」
「覚えてるに決まってんじゃん、俺彼氏だもん」


すっっかり忘れてた!
てか聞いた事すら記憶がない・・・;
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