SHORT NOVEL

        2 (9/21)

「久しぶりだな金城、苗字!」
「そうだな、元気だったか?田所」
「俺が元気じゃないわけないだろ。今日部室に顔出したんだろ?あいつら元気してたか?」


久しぶりに会った田所先輩は相変わらずで、金城先輩の背中を叩きながらお店の中へ入っていく。

その後を私も着いていき、席に座ろうとした瞬間、携帯が鳴った。


「あ、すいません;」


画面を見ると手嶋からで、二人に頭を下げながら席から離れた。

電話の内容は合宿についての事で、暫く話をして席へと戻った。


「おう苗字、誰から電話だ?」
「手嶋からです、合宿の事でちょっと」
「もうそんな時期か・・合宿っつったらよ〜」
「苗字、メニューだ。数品オーダーしておいたが何か食べたいものがあれば頼め」
「はい・・」


金城先輩からメニューを受け取るものの、カフェでの事が気に掛かり、先輩と視線を合わせるのが気まずかった。

お腹をいっぱいに膨らませて大満足した田所先輩と店の前で別れ、私は先輩に家の前まで送ってもらい、明日の朝再び会う約束をしてそのまま別れた。


「おはようございます」
「来たか」
「来ました;」


先輩の影響で乗るようになったロード。

先輩の少し後ろを微妙な距離で付いていく。

私に気を使ってゆっくり走ってくれてるけど、話掛ける事が気まずくて、ただ先輩の背中をずっと眺めた。

小高い坂を登り、景色の良い場所で休憩する。


「苗字、マネージャーの仕事は大変か?」
「え、いえ、大変ですけど手嶋達が色々協力してくれてるので」
「そうか」
「はい」
「手嶋、青八木と随分と仲良くしてる様だな」
「・・・今年クラスも同じなので」
「そうか」
「あの先輩、何か言いたい事があるんじゃないですか?」


私がそういうと、金城先輩は持っていたサングラスを掛けた。


「苗字、昨日俺に問いてきた質問があったな」
「え?」
「"私の事好きですか""私のどこが好きですか""どうして私と付き合ったんですか"」
「あ、そうですね;//」
「あの場でははっきり答えてやれなかったが」
「いいんです、いいんです!私が強引に付き合って貰ってる感じですし、今はまだ片思いですけどこうやって私に会っていただけるってだけで凄く嬉しいし・・感謝してます//」


金城先輩はさっき掛けたばかりのサングラスを再び外して私の手を掴み、懐へと招き入れた。


「Σえ?!!せ、先輩?;////」


初めてのこんな状況に全く身動きが取れなかった。
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